忙しいDUAL世帯に向けてお金の基本を解説しているコラム、今回は初心に戻り、「給与明細」についてお話しします。

 毎月手にする給与明細。手取り額だけを確認して終わり、という人が多いのではないでしょうか。しかし、給与明細には、他にも様々な情報が載っています。明細をじっくり見れば、支給額の内訳や社会保障・税金の仕組みを知るきっかけになります。これらは貯蓄の計画や民間の生命保険の必要性、住宅など様々な支出を考える前提になりますから、しっかりチェックしておきたいものです。

毎月の給与明細をじっくり見てみよう

 ちょうど新入社員が給与をもらい始めた時期ですので、ある新入社員の給与明細(表A)を例に、ポイントを見ていきましょう。明細を見るポイントは、新入社員だろうがDUAL世帯だろうが、基本的には変わりません。要は明細を通して「会社と自分、そして社会と自分」との関係を考えるということです。

表A 入社1年目の給与支給明細書(イメージ)
表A 入社1年目の給与支給明細書(イメージ)

有給休暇の日数は、勤続年数で決まる

 明細は主に勤怠、支給、控除という3つの項目で構成されています。勤怠とは、勤務状況のこと。つまり、月当たりどのくらい働いて、どのくらい休んだかということです。

 6カ月以上働き、その8割以上出勤していれば、10日間の年次有給休暇が発生し、以後、1年経つごとに一定の日数が加算されます(知っておきたい基礎知識1参照)。ちなみに表Aは、まだ勤めて間もない新入社員の明細なので、有給休暇の日数が0になっています。

 実は、パートやアルバイトにも有給の権利があります。ただし、労働日数が少ないパートの場合は、基礎知識1の通りではなく、その少ない労働日数を考慮した有給がもらえます。中には「うちの会社はパートには有給が無いんだよ」などという変な会社もありますが、法律違反です(経営者自身が、パートには有給を与えないでいいとカン違いしているケースすら多くあります)。