「管理職を目指しますか?」 参加者から羽生編集長へ直球Q&A

Q 今、女性活躍が叫ばれていますが、羽生さんは管理職を目指しますか?

羽生 現在、日経DUALの編集長なのでいわゆる部長職、マネージャー職にはありますが、肩書きの「管理職」が欲しかったとも、なりたくないとも、どちらも思ったことはありません。20~30代に多いといわれていますが、“プロジェクト思考”なのかな。ただ、せっかく「3割の管理職を女性に!」という国全体のスローガンができてきた訳で、こういったテーマは冷えやすいので、私自身もきちんと「女性が管理職になるということ」を考えたいと思います。

 参考になるのが、スイスのビジネススクールで人気のギンカ・トーゲル教授をインタビューした話です。非常に示唆的で、温かいアドバイスに溢れ、感銘を受けました。「子どもと部下には無条件の愛が必要」「女性管理職のほうが『良きリーダー』になりやすい」という2本の記事なので、ぜひ読んでみてください。

Q まだ日本では気を使って時短(短時間勤務制度)を取っている状態。時短でも集中して仕事ができれば十分だと思うのですが、いかがですか?

羽生 時短がこんなに話題になるのは日本だけで、そもそも海外の職場に「時短制度」の概念があまりありません。だって時短といっても16時半ころまで働くわけでしょう? 早朝から集中して働いているんですからそれだけ働けば十分ですよね。トップから声がかかれば「イエスサー」とすぐに馳せ参じるのがフルタイム、という日本の常識が外れ過ぎています。男女ともに17時帰宅が当然という世界だってたくさんあります。(参考記事「英国のパパは週4日勤務、時短は当たり前」22時帰宅が普通となるから、16時半が早すぎて薄いように思われる。17時~21時はファミリータイム。家に帰ってからその人ごとに勤務したり、育児したり、睡眠をとったりと選べればいい。DUALでは労働背景を変えられないかと大きい声で言っていきたいと思います。

Q 世の中で活躍されている方がどういうふうに育ってきたのか、そのなかから母親として子どもへ伝えるべきヒントを見つけたいと思っています。羽生さんはどんなふうに育てられましたか。

羽生 母は絵に描いたような専業主婦で、おやつはほとんど手作り、市販のポテトチップスが食べたいのにお芋から揚げるというのをニコニコやっちゃうような人でしたね。今思えばとにかく私を肯定してくれました。髪がのびただけで「のびるの早いねー。ツヤツヤだねー。」、お友達とどろんこになって遊べば「元気だねー。お友達がたくさんいるねー。」…言われれば言われるほど小学校1年生の私は「髪がのびるのは当たり前だよね」「友達くらいいるよね」と、クールになっていきましたけどね。ただ、子どもを一切否定しないというのは、徹頭徹尾やりきるとすごいものだなと思います。甘やかしや放任とも違って、小さな生き物として尊敬してくれている感じは子どもにはしっかり伝わりますし、それは自分の育児でも取り入れています。