協力者が60歳以上のシルバー人材センター
育児や家事支援を依頼できるパブリックサービスで代表的なのが「シルバー人材センター」だ。「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、区市町村ごとに設置されている公益法人で、60歳以上の健康で働く意欲のある人が会員として登録している。利用したい企業や家庭からの希望に沿ってシルバー人材センターが仕事を引き受け、会員に仕事を提供する。
区市町村ごとに設置されるため、依頼できる内容は各シルバー人材センターによって異なる。DUAL家庭のニーズが高いものには家事援助、部屋の掃除、洗濯、布団干しのほか、子どもの見守り、食事の支度などがある。
例えば、保育園や学童などの送迎や自宅での見守りサービスを行う自治体を挙げてみると——。
シルバー人材センターによっては「乳幼児の場合は、保護者が近くにいることが条件」「送迎、見守りは4歳以上」「見守りをしながらの家事援助は受けられない」などの条件がある場合も。そもそも「子ども関連の仕事は行っていない」というところもある。 一度、住んでいる地域のサービス内容を確認しておくといいだろう。
まずは電話で相談し、自宅で事前打ち合わせをする
実際に利用したいと思ったら、まずは地域のシルバー人材センターの営業時間内に連絡を入れることから始まる。センターにもよるが、最初の電話で詳しい内容や条件を相談できることが多い。条件や金額などを確認して、契約を結ぶことになる。
センターが人材を探す間は2~3週間程度待つことが多い。お願いできる会員が決まったら、利用前に会員とシルバー人材センターが利用者の自宅を訪問し、子どもと顔合わせをしながら、どのような仕事をお願いするかの打ち合わせを事細かに行う。
「『そのような依頼をしたつもりはなかった』などとトラブルが起きないよう、『おやつはこれをあげて』『テレビは見せないで』といった要望や、鍵の受け渡し方法、アレルギーの有無など細かい情報を伝えるようにしてください」(東京しごと財団のシルバー人材センター課長・板谷明さん)
こうした事前の打ち合わせは、基本的には平日の営業時間内に行われる。
お願いした日、もし急に会員の都合がつかなくなってしまったら……?「別の会員を手配できれば手配しますし、できない場合はセンターの職員が急きょ伺うケースもあります。いずれも対応できる範囲内でできる限りカバーするようにしています」(板谷さん)
支払う金額は、依頼内容や地域のほか、依頼が定期的か単発かによっても変わってくるが、定期的な利用なら1時間1100~1200円程度で、1回のみの場合は1時間1300~1400円程度。交通費や食事などの実費は別途かかる。
活動後にシルバー人材センターから請求書が届き、指定する方法で料金を支払う仕組み。銀行やコンビニなどでの振り込みが一般的という。