どういう地位の方に会っても、きちんと振る舞える子に

西田さん 細川さんに最後に、子育てでどんなことを留意しているのか、お聞きしたいと思います。

細川 これだけはやろうと思っているのは、食事は絶対に私が作るということ。掃除とかアイロンがけはシルバーさんやお手伝いさんに頼むとしても。もちろん、たまにお惣菜を買ったりはしますけど。私の、おふくろの味を息子に覚えてほしいと思うんです。私の母はお嬢様育ちで家事をしなかったので、私自身がおふくろの味がないんです。それはかなり寂しい。義理の母の料理を主人が喜んで食べている姿を見て、私もそうなりたと思ったんです。息子が通う私立小学校はお弁当なので、日曜日は野菜を茹でたり、餃子やコロッケを100個作って冷凍庫に入れたり。仕事をしながら食事をきちんと作るのは大変です。でも、そこは自分でも褒めたい、と思っています。

 あとは、どこへ出しても恥ずかしくない子にしたいと思ったので、礼儀などはきっちり、厳しく教えました。私自身も父の仕事で小さなころからいろんな人に会い、比較的に場慣れをしていました。息子も、どういう地位の方に会ってもきちんと振る舞える子どもに育ってほしいと思いました。今、私よりも大人と話すのが大好きで、政治家の方とペラペラ話して、名刺をいただいたり、名刺を作ってくれというので、名前だけの名刺を作ってあげたのを渡したりしています。

西田 私の友人が細川さんとも親しくて、よく細川さんの近況を教えてくれるんですが、勉強もとても得意だそうですね。

細川 学校では、3年生から勉強がすごく大変になって、4年生の2学期くらいまでは付きっきり教えていました。計画なども立てられないので、私が問題集に今日はどこからどこと印を付けて、仕事のときはそれを置いて出るという感じ。どうして子どもの勉強のために親がこんなに大変なんだろうと思っていたんですが、4年生の3学期からは自分で勉強するようになりました。

 勉強の仕方と、何のために勉強するのかを身に付けるのに、1年半くらいかけたということでしょうか。「ママのためじゃない、自分のため。しないと将来困るわよ」ということを伝え続けました。今は、「やったほうがいいんじゃない」とか「いつテストよね〜」とかは言いますが、基本的には自分でやるようになりました。

―― 次回は羽生編集長が、今に至るまでの紆余曲折なキャリアについて話します。DUAL読者からの直球質問にも答えます。

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(取材・文/大友康子 写真/鈴木愛子)