今の仕事は…生活者視点を磨くこと!

 「現在の仕事を教えてください」と言われたら、何と答えますか?

 「今は育児と家事しかしていません…」と答えたあなた、ぜひ胸を張って「育児と家事を通して、生活者視点を磨いています」と答えてみませんか?

 結婚や出産を機に会社を辞めて家庭に入ったママは自分の能力を謙遜する方が多いのですが、社会人時代のスキルや地域活動で得たスキルをきちんと把握した上で、ブランクとされがちな時間を強みにしていきましょう。育児・家事にかかる時間や機会が多いからこそ、できることがたくさんあります。

 それは「生活者視点を磨くこと」です。

 商品を「買う」と決める、いわゆる購買決定権は男女で比べると、女性にある商品が圧倒的多数です。統計的には、車やパソコンなどのスペック重視の商品以外の日常的な買い物の74%が、女性に購買決定権を委ねています。※内閣府「男女の消費・貯蓄などの生活意識に関する調査」(平成22年)

 「作れば売れる」が終わって久しい今、より多くの企業が「女性(=生活者)視点」を重視しています。こんなに商品情報があふれる中で、買い手がどうしたら「買ってくれるか、満足してくれるか」、それを知ることになるからです。いわゆる、マーケター的視点です。育児期間は「生活者」としての時間が長いですから、その視点をより深掘り&体感できる絶好の機会と言えます。

 ある酒類製造メーカーでは、飲酒運転が社会的問題の背景にあることからノンアルコールビールを男性向けに企画してきました。ある時、開発チームに女性が加わったことで、妊娠・授乳期の女性に需要が高いことに気がつき、商品パッケージデザインに女性視点を加えたところ、幅広い顧客層の獲得に成功しました。

成長分野でママならではの視点を活かす

 現在の日本の産業の中心は、情報やサービスを中心とした第三次産業となっています。少子高齢化でこれからますます需要が高くなると思われる成長産業として、政府は、環境、健康、医療、福祉、情報通信の分野を挙げています。

 この分野には日々家族の健康を考えたり、子どもの病気やケガなどを通して感じたりしたこと、地域のお年寄りや子どもたちへの支援など、ママとして養ってきた生活者視点や経験を活かす機会がたくさんあるはずです。

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