急速に進む少子化やリーマンショック以後の経済不安で以前のような勢いはないものの、首都圏では今もなお一定の需要がある中学受験。「うちは夫婦とも公立だったから中学受験なんて関係ないわ」と思っていても、地域によってはクラスの約8割の子が中学受験をするという学校もあり「周りの子がみんな中学受験をするのなら、うちもさせようか……」と考える家庭も多いようです。
ところが両親が共に地方出身者だと、たとえ首都圏での暮らしが長かったとしてもどの学校が良いのかということまではなかなか分からないもの。そもそも首都圏にはどのくらいの数の学校があり、どの学校が人気校であるかさえ分からないという人も多いでしょう。地方出身者のパパとママにとって首都圏の中学受験は“カオス”に近い状態かもしれません。
そんな中でも「御三家」という言葉は何となく耳にしたことがあるのではないでしょうか? 首都圏で生まれ育った人からすれば「そんなのみんな知っているよ!」という印象があるかもしれませんが、実は意外と「御三家がどの学校を指すのか」を知らないという方も多いのです。
今回はそんな方のために中学受験で最も難関校と言われている「男子御三家」について紹介していきます。教育専門家から見た三校の魅力、近年の入試傾向についても触れていきますので「もう知っているよ」という方もぜひ参考にしてみてください。
カラーは違えど、三校に共通するのは「高い学力」と「生徒の自主性」
中学受験で耳にする男子御三家とは「開成」「麻布」「武蔵」の三校を指します。いつごろからこういう呼び方をするようになったのかは分かりませんが、大手受験塾が呼び始めたという説があります。
さてこの3つの学校、一体何が魅力なのでしょうか? まずは各校の簡単な紹介をしましょう。
こうしてみると男子御三家と呼ばれる三校にはある共通点があることが分かります。それは、現役東大合格者の数を見ても分かるように学力のレベルが非常に高いこと。一方で、大学受験に捉われない独自のカリキュラムを展開していて、その内容がとてもユニークであること。また勉強だけでなく、部活や学校行事も盛んなこと。その運営を生徒に任せ、生徒の自主性を大切にしていること。こうした校風に魅力を感じ、多くの受験生とその親達にとって憧れの存在になっているのです。
では、その人気三校の入試はどんな問題が出されるのでしょうか?