「親の素直な姿を見せることが、子ども達の成長につながるのではないか」

 「人間は“当たり前の欲”を持っている」と川島さんは指摘されます。自己実現したい。給料やポストが上がってほしい。そしてその一方、家族とも笑って一緒に過ごしたいと考える。これも自然体な人間の当たり前の欲です。

 そのようにふと考えたとき、会社員であった川島さんは、もっと自分の魂に素直になろうと思ったようです。自分がとても大切にしていること。それを人生の前面に持ってくることはできないかもしれない。しかし、その大切にしていることを犠牲するほどの仕事って本当にあるのか。

 人の評価を気にする。つまり、失敗の恐怖に縛られている状態で、そもそも本当に良い仕事ができるのか。本当に良い親になれるのか。もっと素直な自分の姿を見せたほうが、子ども達の成長を促すことにつながるのではないか。このような問い掛けが、川島さんのご活動の原動力になっていると感じました。

 しかし、川島さんが提唱するようなワークライフ・バランスを求めていても、「会社がそれを理解してくれない」と言う父親は少なくないでしょう。確かに上司の意識が変わらなければ、職場の常識は変わりません。そういう意味で、子育てや家事など部下の私生活に配慮する“イクボス”を日本企業の職場で普及させる。これも現在の川島さん達が重視している活動です。

 さて、こんなにカッコいい理想の父親像である川島さんは、奥様の目にどのように映っているのでしょうか。興味深いところです。

 「外では、ワークライフ・バランスとか色々と偉そうなこと言っているようだけれど……アナタはどうなの?」と、やや辛口のよう。

 仕事、NPO活動、PTAなど地域活動に取り組む川島さんの悩みは、時間が有限であることであり、結果的に奥様を置き去りにしてしまったことだと自己反省されています。

 耳がイタイ……。自分の家庭でも同じような警鐘が鳴っています。こういうシンクロナイズもあるんですねぇ。ものすごく親近感を感じたインタビューでした。

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