子どもの保育園、学童へのお迎えから留守宅での見守り、食事や入浴などのお世話をお願いできる企業のベビーシッターサービス。実際に利用するとなると「始めるまでどんなステップを踏むの?」「どんな人が担当になるの?」「子どもとの相性は大丈夫?」と不安や心配は尽きません。
 前回の記事「シッター会社サービス比較 どこまでお願いOK?」に引き続き、大手3社の事例を中心に、ベビーシッターと家庭のマッチングの仕方やシッター教育の各社取り組み、急な病気やケガなどのトラブル対応について見ていきましょう。

【これまでの特集記事】
1. 保育園お迎えのアウトソーシングは「自分への投資」
2. シルバー人材センターとファミリーサポートの活用法
3. シッター会社サービス比較 どこまでお願いOK?(有料会員限定記事)

まずはサービス説明と事前ヒアリング

●どんな手続きが必要なの?

 一般的に、ベビーシッターサービスを始めるにはいくつかの手順を踏む必要がある。

 多くのサービス会社が行うのが事前のヒアリング。営業担当者が依頼主の自宅あるいは勤務先を訪れてサービスの詳しい利用方法を説明し、依頼主の要望や子どもの様子、性格などを事細かくヒアリングする。こうした事前ヒアリングは、仕事が終わった夜の時間帯など、共働き家庭の都合に合わせて日程を設定してくれる。

 「お子さんの性格や食べ物の好き嫌い、アレルギー、病歴などから、家庭における家事のルール、動線、入っていい部屋までを確認していきます。『うちの子は祖父母が近くにいなくてお年寄りと話すことに慣れないので、年配の方だと難しいと思います』というお話があれば、若いシッターをアレンジするなど、リクエストに合わせてマッチする人材を選定します」(タスク・フォース/ラビットクラブ・取締役営業本部長・永井美穂さん)

 綿密なヒアリングを行うのは、派遣する人材のミスマッチや要望との行き違いを防ぐため。ベアーズでは、シッターの応募や研修の段階ですでに、シッター各人の性格や特性(長所・短所)、作業レベルなどのデータを細かく登録しており、それらの情報と事前ヒアリングを併用してぴったりのシッターをアレンジするという。

 訪問日時やシッターが決まったら、いよいよサービス開始だ。ただ、一度利用してみて、もし相性などが合わなかった場合は、サービス会社を通して他の人に変えてもらうこともできる

 「『人対人』の関わりになるので、どうしても相性の問題が出てくる可能性はありますよね。それを気兼ねなく伝えられるのが、お客様とベビーシッターの間にコーディネーターが入っていることのメリット。もし直接個人で雇用するとなると言いにくいことも自分で言わなければなりませんが、そのストレスは無くなります」(ポピンズ・サービス事業本部マネージャー・菅原櫻子さん)

 同じシッターが毎回継続して担当する「専任制」を約束する会社もあれば、そうでない会社もある。タスク・フォース(ラビットクラブ)では「ベビーシッターを利用する側にとって『誰かが必ず来てくれること』が最も大事。専任制ではなく、『誰が行っても同じサービスを提供できる』仕組みづくりのほうに力を入れています」(タスク・フォース/ラビットクラブ・永井さん)。

 例えば、事前ヒアリングの際に、担当者が最寄り駅から依頼主の自宅までの最も分かりやすい行き方を実際に歩いて作成。その情報を毎回、担当するシッターと共有することで、誰もが迷わず時間通りに行けるようにするほか、「○○ちゃんは人見知りがあるので、最初にどのおもちゃで遊ぶと打ち解けられる」とどのシッターでもすぐになじめるよう子どもの性格や接し方について詳細を共有する。

 「実はお子さんのほうが柔軟性が高く、新しい人でも接し方や遊び方次第ですぐに懐いてくれることが多いんですよ」(タスク・フォース/ラビットクラブ・永井さん)。新しい人が入ることによって子どもに社会性がついたり刺激になったり、いつもと違った一面を引き出せたりするメリットを選びたいなら、シッターが変わることにはさほど神経質にならなくてもいいかもしれない。

 次ページからは、ベビーシッターの採用基準や研修内容、トラブル時の対応について詳しく見ていこう。

ベアーズのキッズ&ベビーシッターサービス
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