時には親もぐうたらに 家庭はリラックスできる場

 「かといって、何もいつもスーパーマンのような完璧な姿を見せる必要は全くありません。むしろ、時にはダメダメな姿を見せたほうがいい」と生重さん。

 くたくたに疲れた木曜日の帰宅後。何も作る気さえしなかったら、「お母さん、疲れたからご飯作らなくてもいい~?」と子どもに相談してみよう。親がいつでも気を張って頑張っていると、子どもだって疲れてしまう。頼りがいのある親が、自分の前でダラダラな姿を見せると、子どもはちょっとうれしくなるのだという。

「疲れたー」なときは親も子もゴロゴロしてしまえばいい
「疲れたー」なときは親も子もゴロゴロしてしまえばいい

 「よーし、決めた! 今日は散歩がてらお弁当を買いに行くことにしよう。あ、パパにも電話しよ。『今日はごはん作らないから飲み会いかが?』って」と、徹底的に怠けよう。

 「大事なのはメリハリを見せること。仕事も家事も育児も100%手を抜かない親は、無意識のうちに『あなたも頑張りなさい』とプレッシャーを与えてしまうんです。家ではいつでもリラックスしていいのだと親自身が見せることで、子どもにとって家庭が安心できる場所になります」(生重さん)

 考えてみれば、子どもだって学校や保育園で社会生活を送っている。親にはいちいち見せなくても、ちょっとしたハードルを日々乗り越え、緊張を感じる日も少なくないはずだ。

 帰宅してなかなか宿題に手をつけず、おなかを出してゴロゴロと寝転がってばかりだとしても、それはきっと“解放”の印。「家では親も子もリラックスモードに。猫の親子のように一緒に丸くなるくらいでちょうどいい」(生重さん)。

 親だって、毎日きちんとはしていられない。でも、いざというときは思い切り頼っていいぞ。

 日常の中でそんなメッセージを伝えていくように心がけてみよう。

(ライター/宮本恵理子 イメージ写真/鈴木愛子)