若い世代は当事者意識が無いし、当事者は意見を聞いてもらえない
チェンジウェーブ代表の佐々木裕子さん
佐々木裕子さん(以下、敬称略) まずは簡単に自己紹介をお願いします。
堀江敦子さん(以下、敬称略) 私は25歳のときに起業して、ワーク&ライフ・インターンという事業を運営しています。大学生が4カ月間かけて子どもがいる共働き家庭で子どものお預かりを体験し、子育てや働くことのリアルを知るという取り組みです。
中野円佳さん(以下、敬称略) 私はもともと新聞社に勤めていましたが、出産後すぐに大学院に通って書いた修士論文を『「育休世代」のジレンマ』として出版し、ダイバーシティ関係により力を入れていきたいと思っていたときに佐々木さんと出会いました。今は執筆をしつつ、チェンジウェーブでダイバーシティ系の研修運営を手掛けています。
佐々木 2人とも何かしら社会を変えようという活動をしていて、その熱量がすごいんですよね。活動を始めるきっかけのようなものはあったんですか?
経済産業省キャリア教育アワードを受賞した、スリールのワーク&ライフ・インターン事業について話す堀江敦子さん
堀江 私は2度ありました。1回目は大学時代に女性起業家のベビーカー持ちをしたこと。そこで、子育てと仕事を両立させる人を間近に見て。「働くことと子育ては決して別々じゃない、両立できるんだ」と目が覚める思いでした。
ところが、実際に働き始めると、子育て中の女性社員の声は聞いてもらえていないという企業の現実を目の当たりにしました。「この状況を自分が子育てするころまでに変えたい」と思い、24歳のとき、これから子育てをする同世代の同期達にメールを送り、行動を起こそうとしたんですが「堀江さん、よろしくね!」「頑張ってね!」って周りは完全に人ごとで……。若い世代は当事者意識が無いし、自分が当事者になったときには意見を聞いてもらえないし、だから何も変わらないんだと思い知りました。人の意識を変えなければと感じたんです。
中野 私が24~25歳のときは、当事者意識が無い側でしたね(笑)。長時間労働が当たり前の環境で長時間労働をバリバリやっていました。ただ、大学時代から教育問題に関心があって、新入生や高校生向けにイベントをやったり、冊子を作ったりと発信活動はずっとしていました。
現在のように働き方の問題に関心を持ち始めたのは、自分が妊娠して当事者になってから。実際に自分がモヤモヤを感じるようになり、これは自分だけが感じていることではなく他の女性も感じていることなんじゃないか、社会的に発信すべきことなんじゃないかと感じ、育休中に大学院に通うことにしたんです。みんなが一人で苦しんで自分自身を責めるばかりのままだと、解決につながっていかないと思って。
イベントが始まる前に積極的に交流を図る参加者の皆さん
次ページから読める内容
- 最初からブレーキを踏んでいる人達の底上げが必要
- 枠組みや評価基準を決める立場の人達が変わることが大事
- あなたはどんなアクションを取りたい?
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