今日から始めよう、小宮式防犯訓練

 これまでの話で、
(1) 犯罪者(不審者)は見た目では分からない
(2) 犯罪者が目の前に現れた後では遅い
(3) 犯罪者が現れる場所を予測できれば危険が避けられる
(4) 犯罪者が現れる場所には2つの特徴がある
 ということを説明してきました。

 それでは次に、犯罪者が現れる場所を見極める訓練方法を考えていきましょう。犯罪者が現れる場所の特徴は、(1)入りやすく、(2)見えにくい場所ということも、既にお話ししています。

公園では、周りにフェンスがあるか、周囲の家の窓はどちらをむいているかなどを確認する。上のイラストの場合、どちらの公園もアパートの窓がむいているが、Aのほうがより安全。Bの窓は小さすぎて、あまり監視性が高いとはいえないからだ(イラスト/三井俊之)
公園では、周りにフェンスがあるか、周囲の家の窓はどちらをむいているかなどを確認する。上のイラストの場合、どちらの公園もアパートの窓がむいているが、Aのほうがより安全。Bの窓は小さすぎて、あまり監視性が高いとはいえないからだ(イラスト/三井俊之)

 「入りやすく」「見えにくい」という2つの特徴を見極める力をつけるには、実際にさまざまな場所に足を運び、その場所に行って、周りの景色をよく見ることです。そして、その場所が「入りやすいか入りにくいか」「見えやすいか見えにくいか」を考えます。そういう訓練を繰り返すことにより、危険な場所を見極めるコツがつかめるはず。そうすれば犯罪者と出会う確率をぐんと下げることができます。

一日目 家の周りを歩き、景色をよく見てみよう

 では早速、始めてみましょう。まず、お子さんと一緒に家の周りを歩いてみてください。そのとき、以下のポイントを話しながら、じっくり景色を見て考えてください。

・入っていくのに邪魔なものがあるかどうか
・入っていくのが目立つかどうか
・誰かにどこからか見られている感じがするかどうか
・悪いことをしたら、どこからともなく誰かが怒って出てきそうかどうか
・ゴミや落書きがなく、きれいな場所かどうか

 これらのポイントがNOであればあるほど、そこは「入りやすく見えにくい場所」です。つまり、避けるべき場所、警戒すべき場所になるのです。

(取材・文/井上真花)