連載「平凡なわが家もついに塾へ…」では、塾に通わせ始めたばかりの家庭から、中学受験を終えた家族まで、様々な人たちの「塾事情」をのぞいてきました。今回、紹介するのは塾を始めて1年目のお話。子どもと家族にどんな変化があったのでしょうか。
 これまで、塾を始めたとき、そして半年経ったときにお話を聞いたフリーライターの石井和美さんに、塾に通い始めてから1年経った今、感じていることを振り返っていただきます。さらに奥様の視点からだけでなく、ご主人にも「夫から見た子どもと塾」についてうかがいました。
 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了のご主人と女子美術短大出身の奥様。夫婦の目線はどう違うのか。まずは妻・石井和美さんにこの1年を振り返っていただきました。

 過去記事もお読みください。
第1回 「塾はどうする 学歴格差夫婦&小4娘の意識ギャップ」
第2回 「『私立』に見向きもしない夫、意外な夫婦の意識差」
第3回 「塾選び、ついに決着。そして教育費にがくぜん」
第4回 「娘が塾を始めたら『結果』だけ見る母になっていた」

勉強より気になる生活態度

 娘が塾へ行き始めて一年が経過した。塾での友達もできたようで、塾弁を持って楽しそうに通っている。

 私は子ども達の勉強に関してあまり興味がなく、旦那に任せきり。ダメな母親で申し訳ないが、成績について細かくチェックしているわけではないので、娘がどの程度なのかはよく知らない。旦那いわく「特別成績がいいわけではないが、落ちこぼれていない」とのことなので、それで十分だと思っている。本人が楽しく通っていていれば、私としては満足だ。

 先日、我が家で話題になったことがあった。我が家によく遊びにきている娘のカードゲーム仲間の小6男子が、見事中学受験突破したのだ。合格した学校は、まさに娘が目指している学校で、合否を聞くまで我が家までドキドキしていた。娘は自分のことのようにとても喜んでおり、なんとなく漠然ととらえていた受験も現実味が帯びてきたようだ。同じ学校に行きたいとのことで、本人はますます張り切っている。

 だが、そんなことより、母である私には心配な事がある。娘の生活態度だ。