「全力を出せる」習い事に出合えれば、脳の成長は加速する

「株式会社脳の学校」代表・加藤俊徳先生
「株式会社脳の学校」代表・加藤俊徳先生

 習い事には多くの種類がありますから、どれを選べばいいか悩むかもしれません。でも、一番大事なのは子どもがやりたいものをやらせることでしょう。

 私はこれまで、東大生達の脳の診断もしてきましたが、東大生の親御さんの子育ての話を聞くと、「子どものころに色々な習い事をやらせてみて、続かなければすぐ他のものに切り替えた」という人が多く見られました。中には「十何種類もの習い事をさせたけど、身に付いたのは1つだけだった」という人もいました。それでいいのです。

 子ども自身が「やりたい」と思える、やっていて生き生きするということは、脳が活発に働いているということです。人は、やりたいことであれば、頑張れる。レギュラー選手や一流プレーヤーにならなくたって、自分の能力や技術を向上させようと取り組むことで脳は鍛えられます。

 脳を成長させる一番の方法は「全力で取り組む」ことなんですよ。全力を出すということは、脳の働きを最大限まで高めるということ。脳を最大限に使う経験をすることで、他のことでも脳をきちんと使えるようになるわけです。

 だから、子ども自身が「本気になれるもの」「全力を出せるもの」を早めに見つけてあげることができるといいですね。また、子どもをその気にさせるには、「全力で教えてくれる先生」を選ぶことも大切です。習い事の本質というのは、「習う姿勢を学ぶ」ということですから。

 次回は、習い事をする子どもの脳をさらに伸ばすための親の接し方、習い事を始める前の素地の養い方についてお聞きします。

(ライター/青木典子、撮影/平山 諭)