楽器、絵画、植物育て、ダンス、サッカーはどの脳番地に効く?

 中でも、幼い時期に育てておくとよいものの一つが「聴覚系脳番地」です。学校教育に入ると、授業の9割は「先生の話を聴く」ということ。しっかりと話を聴ける子は、先生の言葉が頭に残りやすい。聴く力を養う習い事としては、やはり「音楽」関係の習い事がよいでしょう。

 しかも音楽を学ぶときは、歌うために口を動かしたり、楽器を演奏するために手を動かしたりするため、「運動系脳番地」の発達も同時に促進させることができます。

 一方、「絵画」や「造形」の習い事では「視覚系脳番地」が養われます。描くこと・作ることそのものより、対象物を観察したり、自分の作品と実物や見本を見比べて違いを見つけたりするプロセスが重要なのです。同様の意味で、植物を育ててみるのも効果的。植物は日々成長しますから、どのように形状が変化していくかを見ることで、記憶する力が養われるのです。

 そして、座っているだけでなく「重心移動」を伴う習い事を取り入れるといいでしょう。例えば、「スポーツ」「武道」「ダンス」がそれに当たります。重心移動することで脳に刺激が入り、状態の全体像を把握したり、情報を整理整頓することができるようになります。

 また、スポーツ系の習い事は「運動系脳番地」はもちろんのこと、「理解系脳番地」「思考系脳番地」の成長も促進します。特に、「テニス」や「サッカー」など対戦相手の動きに応じて自分の動きを判断するような競技は、「理解系」「思考系」の脳の発達につながります。

 子どもが小学生以上になってから、何らかのスポーツに打ち込む可能性がある場合は、早い段階で「柔軟性」を身に付ける習い事をしておくのもお勧めです。中学生くらいの発達期にスポーツのトレーニングを頑張り過ぎて体を壊してしまうケースがよく見られますので、柔軟な体をつくっておきたいからです。そういう場合は、例えば、「体操」「柔道」「ダンス」などの習い事はいかがでしょうか。「呼吸の整え方」を身に付けることも大切なので、運動の他、「歌唱」なども効果が期待できそうです。