やはりPTAという「箱」がなければ成り立たないという現実もある

―― 森川さんが退任する2年後以降にも、そうした考え方を根付かせていくにはどうしたらいいと思いますか?

森川 「任意加入である」「活動を強制してはいけない」といったことは、横浜市P連の中では今当たり前に話されていますので、後退することはないと思います。

 この取材を受けている理由でもあるのですが、「PTAの任意性」の話は自分の中ではもう終わらせたいんです。PTAは任意加入であり、活動は強制できないということは明白な事実です。その事実をふまえたうえで本来の保護者のネットワークが、公教育や社会に対してできることを議論していきましょう。

―― なるほど分かります。PTAが任意加入だなんて当たり前なので、その話はもうおしまいにしたいです。私も。そのうえで、「保護者のネットワークが、公教育や社会にできること」というのは魅力的なテーマです。といいますか、素直にそれらを考えられる場になってほしい。

森川 そのために、結論としてPTAを変えたほうがいいのなら、それで構わないんです。

 PTAは「箱」に過ぎません。「箱」がなくても、いざというとき、保護者が「自分達が全保護者の元を回って意見をまとめる」というくらいに意識と折衝能力が高ければ、PTAという「箱」は要らないのかもしれません。これは企業活動にしてもそうでしょう。世の中の一人ひとりが会社に頼らないで稼ぐ力があれば、会社という「箱」は要らないかもしれません。

 しかしやっぱり「箱」がなければ成り立たないという現実もあります。「箱」を壊すのは、意図を持ってやろうと思えば簡単だと思います。でもあえて壊さないで「箱」として残し、中身を変えていくことは大切だと思うのです。

―― 何年か後にこの記事を見て「こんなことが議論されていたんだね」と懐かしく思えるくらいに進化させていただければと思います。ありがとうございました。

この記事の関連URL
平成26年度 横浜市PTA新任役員研修会のスライド資料
 http://www.pta-yokohama.gr.jp/archives/1693

 

(ライター/阿部祐子、撮影/鈴木愛子)