病児専門の保育スタッフが自宅で子どもを見守ってくれる

──「こどもレスキュー隊員」とはどんな人?

 フローレンスがここまで伸びてきたのは、利用会員の方々がこどもレスキュー隊員の質の高さにご満足いただいているからだと思います。

 こどもレスキュー隊員は、現在約80人。20代~60代まで幅広い年齢層のスタッフが活躍しています。

 子育て経験が12年以上もしくは保育士有資格者は保育施設での経験が1年以上あることが応募要件となっています。フローレンスでは1対1で家庭で病児をみるので、子育て経験も立派なキャリアとなります。

 入社後の研修にもかなりの時間を割いています。プロによる病気や保育の座学の後、先輩について現場での研修を重ねます。独り立ちした後も週に3回、年間100時間以上研修を実施しています。看護師や医師によるケア、救急救命、親御さんとのコミュニケーションなど学ぶことは尽きません。

志望者の8割が不合格になるレスキュー隊員。選ばれた隊員は保育のプロフェッショナルばかりだ
志望者の8割が不合格になるレスキュー隊員。選ばれた隊員は保育のプロフェッショナルばかりだ

──フローレンスのこれまでの実績は?

 現在、利用会員さんは約4000名。2004年の創業以来、累計2万5000件以上の病児保育実績がありますが、10年間無事故で保育を行っています。

──フローレンスの病児保育が安心・安全な理由は?

 こどもレスキュー隊員の質の高さと、事務局のサポート体制が理由の一つです。こどもレスキュー隊員には業務用のiPhoneを持たせており、熱が上がったり病状に変化があればすぐに事務局に連絡を入れます。事務局には看護師が常駐しており、対応を指示。場合によってはお子さんを病院に連れて行ったり救急車を呼ぶこともあります。

 他の保育スタッフが巡回訪問する場合もあります。

 また、業界初となるのですが、ご自宅に女性小児科医が往診します。鼻吸いや吸入、登園許可証の発行も可能です。ドクターは4人が曜日で交代。産後、復職したママドクターたちです。

──「前回と同じ人がいい」などの要望には応えられる?

 シフトによっては必ず応えられるわけではありませんが、同じエリア内なら前回と同じこどもレスキュー隊員がうかがうことも多いですね。渋滞を避けるため基本的にこどもレスキュー隊員は車は使わず、電車や徒歩や自転車移動。できるだけ近くに住んでいる人が向かいます。

 でも、「誰が来ても大丈夫でした」という声も多いですね。病気で心細いお子さんは初対面のこどもレスキュー隊員には泣きます。でもそれを5分10分で落ち着かせるのもこどもレスキュー隊員の技術。親御さんとの引き継ぎの際、仲が良さそうに見せてお子さんを安心させるのもテクニックです。