2回目の採卵 採れたのは7個。絶対に妊娠したい!

 不妊治療のクリニックに再度通い始めたが、ストックしていた受精卵はすべて使い終えてしまったので、また採取から始まる。今回も排卵誘発剤を使い、まずは卵子をある程度採取して保存する方法を取ることにした。

 5月、採取できた卵は7個。

 先生からは「今日採取した中で一番多かったよ!」と声をかけられ、うれしくなる。

 気持ちを切り替えていたせいか、前回は胚盤胞まで育ったのは1個だけだったが、今回は7個採集した卵子のうち、3つが胚盤胞まで育ち、且つどれもとても前よりも良いグレードのものが育った。

 いろんなことを経験し、今回は平常心を保てた。

 何が何でも妊娠するという強い意思と、不妊治療に勝利するという心で立ち向かっていたから、前よりも心を平穏に保てていたのかもしれない。不妊治療のクリニックには相変わらず前と同じように通っていが、不妊治療のことが自分の心を支配してしまったり、仕事へ影響を与えたりすることはあまりなくなっていた。

 7月上旬、胚盤胞の1個を移植。

 そして今、出産を控えた大きなお腹を抱えながらこの原稿を書いている。

出産5日前。アメリカでは、妊婦のおなかは「美しい」と思うのが常識らしく、見知らぬ人に「You look beautiful.」と声をかけられることがとても多い。そのせいか、大きなおなかをはっきりと見せる妊婦服が多いように思える
出産5日前。アメリカでは、妊婦のおなかは「美しい」と思うのが常識らしく、見知らぬ人に「You look beautiful.」と声をかけられることがとても多い。そのせいか、大きなおなかをはっきりと見せる妊婦服が多いように思える

 33歳から妊活を始めて、約5年が経った。3度の流産を経験し、本格的な不妊治療を始めて約8カ月で正常妊娠。様々なことを経験した。終わってみると不思議とつらかったことより、今こうして子どもを授かったことに対しての感謝、医学の進歩への感謝しかない。

 日本で不妊治療を行ってきた友達を何人か知っているが、不妊治療にアメリカも日本もさほど違いはない。みんな、子どもを授かりたくて、スケジュールの調整、治療、金銭的な工面をがんばっている。

 仕事ばかりを優先してきて、本気で子どもが欲しいと思ったのが遅かった私にとって、度重なる流産や不妊治療は、子どもを授かることに対する意識を全く変える出来事だった。

 こうして無事妊娠をしたからこそ言えることだとは思うが、きっとこれらの経験は私にとって、母親としての意識を育てるための必要な経験だったように思える。それを忘れることなく、これからもビジネスパーソンとして、妻として、母として、もうすぐ生まれるわが子の育児に励んでいきたい。