英語によるアフタースクール(学童保育)である東京インターナショナルスクールアフタースクールの特集。前編「3年間で英語習得? 学童でグローバル人材を育てる」に続く後編では、創設者である坪谷ニュウエル郁子さんのインタビューをお伝えします。なぜ、日中時間帯のインターナショナルスクールだけではなく、アフタースクールを開設したのか。真のグローバル人材を育てるには。2人の娘を育ててきた母親として感じていること…。色々なお話が飛び出しました。

確実に英語を身に付けるには、双方向コミュニケーションで2000時間

日経DUAL編集部 グローバルスキルの基礎として、英語力は必須になってくると言われますが、英語を身に付けるといっても、幼児や小学生はどのくらいやればいいのでしょうか?

坪谷さん(以下、敬称略) 母語でない言葉をストレスなく話せるようになるのに2000~2500時間かかると言われています。英語は、日本語からルーツの遠い言語。似ている言語ではない分、それだけ時間もかかります。しかし、だからといって日本人が英語を学ぶことが不得手というわけではなく、実は教え方の問題なのです。

―― 日本では、学校で英語を学ぶ時間は小学校や中学校から大学までと長いのに、「英語ができない」と思う日本人が多いのはなぜでしょう?

坪谷 日本では、一般的に大学までの間に1000時間の英語を学んでいるそうです。それでも日本人が身に付かないと感じているのは、双方向のコミュニケーションが少ないからです。先ほど言った2000時間というのは、イマージョンである必要があるのです。イマージョンとは、“浸る”という意味。英語を学ぶというより、英語を使って他の教育や友達とのやり取りや工作などを行うことで、英語をコミュニケーション手段として習得していくことができます。

 子どもたちは何に対しても「知りたい」という好奇心や意欲が強いので、ただ教科書を読んだり暗記させたりするのではなく、その「もっと知りたい」気持ちを刺激するような工夫が必要です。当校では、子どもたちが自分で考え、創造し、行動できるような「探究型カリキュラム」を組んでいます。英語でのコミュニケーション能力だけではなく、自信、思いやりの気持ち、独立した考え方、自己表現力、偏見のない広い心や探究心を育てることを目的としたカリキュラムです。英語はあくまでツール。子どもの知的好奇心を刺激し、その英語を使って取り組みたい、知りたい、やってみたいと思わせるカリキュラムが大事なのです。