「子どもに、小学生のうちに英語を習得させたい」と、望む家庭は増えています。それでもインターナショナルスクールに通わせたり、留学させたりするのは教育面・費用面から二の足を踏むことも多いでしょう。そんな家庭から注目が集まるのが「英語で過ごす学童保育」です。東京インターナショナルスクールと住友商事が共同で開校している東京インターナショナルスクールのアフタースクールは、今年で3年目。今では説明会を開催するとすぐ定員いっぱいになります。人気の秘訣は、英語やグローバルスキルを身に付けることができる、充実した教育方針にありました。

 

昼は日本の小学校、放課後はインターでグローバル教育

「Let’s play game!」
 英語ネイティブの先生が2人前に立ち、子どもたちに傘とボールを使ったゲームの説明を始めた。子どもたちのほとんどは、日本人の両親を持ち、日本で生まれ育ち、日中は日本の小学校に通っている。

 東京・中目黒にある東京インターナショナルスクールアフタースクール。ここは、小学1~4年生を対象にした民間の学童だ。学童のニーズが増えるにつれ、民営の学童は年々増えているが、普通の学童と大きく違うのは、名前の通りここがインターナショナルスクールであること。すべては英語で行われる。

 「昼間は日本の小学校に通って、基礎となる教科を学び、日本人としてのアイデンティティーを確立することは、グローバル社会に育っていく子どもたちにとって重要な基盤になります。そして、放課後ここへ来て英語力はもちろんのこと、様々な価値観や考え方、他者との関わりなどの“グローバルスキル”を身に付けるのです」

 創設者の坪谷ニュウエル郁子さんは語る。国際バカロレア機構アジアパシフィック地区の委員も務め、日本の国際教育やバイリンガル教育を先導してきた女性だ。これまでにも全日制の東京インターナショナルスクール(東京・南麻布)などを創設した経験を持つが、その坪谷さんが3年前に始めたのが、このアフタースクール。幼児が日中通える幼児園、東京インターナショナルスクールキンダーガーテンも併設している。

 「日本の学校では育みきれないグローバルスキルを、放課後にここで培ってもらいたいのです。英語で考え、英語で自信を持って自分を表現できる力を身に付けてほしい。それはつまり、多様性を受け入れる一方で、自分の役割や、世界の中で自分が何者であるかを自覚し、自分も他人も愛せることなのです。そんなグローバル人としての基礎を英語でつくっていきたくて始めました」(坪谷さん)。