テレワークで通勤時間をなくせば、時短を選ぶのと同じ

 ただ、日本マイクロソフトで時短勤務を長く取る人は、実はそう多くはない。

 「出産後、1年未満で戻ってくる女性社員が多くいます。まだ子どもが小さいので、いったん時短を取る、という人はいます。でも時短を長く取ることが、評価には影響なくてもキャリアに最良とはいえない。だから時短を取らなくても、柔軟に働けるための在宅勤務(テレワーク)などを整えている」(道添さん)

 誰でも週3日まで在宅勤務が選べる。「Skype for Business(スカイプフォービジネス)」というツールを使い、ミーティングや会議などにも参加することができる。「在宅勤務?きちんと機能するの?」という心配は無用。在宅勤務でも子どもは保育園などに預けることを原則とし、勤務中であることは表示により他のメンバーにも分かるようになっている。ただ、通勤に1時間かかる社員なら、家を出てから帰宅するまでだと2時間の負担軽減になり「時短勤務を取らなくても、やりくりできるようになる」(道添さん)

 育児休業や、時短勤務などを選択することはできる。選択しても、評価などで不利のないようにする。しかし、それ以上に柔軟でキャリアアップにもつながる道(在宅勤務など)を用意する…。日本マイクロソフトの取り組みは、「制度だけ用意した」という多くの会社より一歩、二歩先を行っている。

「働ける日はフルタイムで」ワーママと会社のニーズ合致

●高島屋の場合
【時短勤務者でもフルタイムデー制度導入】

 一方、多くの従業員が長く時短勤務を活用する企業でも、柔軟性を追求する動きがある。


「時短社員に戦力になってほしい」と話す高島屋の明父正隆氏

 高島屋は2013年から、時短勤務の社員が、自らが働ける日はフルタイムで勤務できる制度を取り入れた。

 同社の従業員は約半数が女性。女性がいることは昔から当たり前で、早くから育児休業・時短勤務などを取り入れてきた。出産後、最大12年間の時短勤務を選ぶこともできる。通常の労働時間は1日7時間35分だが、時短制度を使うと1日5時間から勤務することが可能だ。多くのママ社員が時短制度を活用している。

 高島屋もマイクロソフトと同様、目標に基づいた評価制度を取り入れるため、単純に時間が減ったからといって不利になることはない。

 それでもママ社員たちが制度に100パーセント満足してきたわけではない。会社が働くママにヒヤリングしたところ、「毎日フルタイムは厳しいので時短を選んでいるが、働ける日、空いている日はある。本当はもっと働きたい。収入アップにもつなげたい」という声が多く出た。