ずっと続く子育て 健康的でいるには、ある程度諦めることが秘訣

――赤ちゃんがいる現場は、楽しさと大変さの両方がある感じですか?

佐々木「そうでしたねぇ。永作さんは、お母さんだから分かっていらっしゃるんでしょうけど、僕たち男は赤ちゃんが泣くと、『オレのせいで泣いたんだ!』とか感じてしまうんですよ(笑)。誰のせいってわけじゃないとは思いながらもね。だから、とにかくまず赤ちゃんにとって良い状態で、と考えながら撮影しました」

――映画の撮影とは違って、現実の子育てはずっと続いていくものですが、心身共に健康で子育てを頑張っていくには、どんな工夫が必要でしょうか?

永作「ある程度、諦めることですね。親の言うことを全部は聞かないですから。『全部は、あなたの思い通りになりません』とはっきり覚えさせて、時間をかけながら好き嫌いを直していく。子どもが勝手に修正することもありますからね。長い時間ゆっくり時間をかけていくのが、私はいいと思います。本当に大変なことが多いけど、『ダメだ、こりゃ』って諦めるのも手ですよね(笑)」

――日経DUALの男性読者は、仕事も家事も育児も妻と分担して取り組んでいますが、佐々木さんはそんな男性たちをどう思われますか?

佐々木「自分は答える立場ではないんですが……。そうですね、子どもに自分を親にしてもらうのではないのかなと思います。この映画でも、コウタはユーコに背中を押されて、ペ~と2人になって、父親になっていく。ペ~と一緒に成長していくんですね。ユーコが生きていたら、コウタも彼女をしっかりサポートしたと思います。子どもがいるからこそ、夫婦で成長しながら頑張れるのではないでしょうか」

――ありがとうございます。では最後に永作さんから、仕事をしながら子育てや家事に奮闘している日経DUAL読者に、永作さんならではの仕事との両立のコツを教えていただけますか?

永作「やっぱり家事は大変なので、少し手を抜きながらやっていった方がいいんじゃないかと。自分の気持ちを楽にするくらいの量でやっていくのがいいと思います。そうは言っても大変ですが、私は『みんなやっているんだ、一人じゃないんだ』と、自分を元気づけるようにしていますよ!」

(インタビュー写真/小林秀銀)
佐々木蔵之介さんヘアメイク/勝見 宜人(Koa Hole inc.)スタイリスト/西岡達也(ビタミンズ)
永作博美さんヘアメイク/濱田マサル(MA36)スタイリスト/橋元大和