わが子の離乳食を大人も味見! 日々の保育を保護者も一緒に

 定期的な保育参観以外に、年に2回は親子ふれあい会も行われる。こちらは親子で一緒に手遊び歌や童謡などを楽しむが、特に保護者に好評なのは給食の試食だ。

 「ご自分のお子さんが普段食べている昼食を食べてもらいますが、赤ちゃんなら離乳食。どんなものを食べているのかということに保護者の方も興味津々で喜ばれますが、実は保育士にとっても学ぶことが多い機会なんです。『家ではもうこれも食べさせています』『家より薄味だわ』『家では甘えて自分で食べないのに、保育園だと自分で食べるんですね』などご自宅との違いを知ることができ、その後の食事や保育に生かすことができています」と前田園長。

 親子ふれあい会は、保護者と保育士のコミュニケーションの機会としても生かされている様子だ。子どもを迎えに来た保護者との会話や定期的な園だよりなどでの連絡も大事にしている。

 また、保護者の負担をなるべく減らすことも心掛けているという。

 持ってくる荷物は連絡帳と着替えくらい。オムツはまとめて置いておくことができ、毎日持ち帰ったりする必要はない。お手拭きなども園のものを使用できる。

 「何か用意してもらうものがあるときには、なるべく市販のもので間に合うようにお願いします。仕事をしている保護者の方々の負担を少しでも減らして、その分ゆとりをもってお子さんに接してもらう時間になったらいいなと思っています」(前田園長)

2歳までの園でも長いウエイティングリストの人気ぶり

 開園時間は7時~20時。保育時間は8時30分~17時30分の9時間か9時~17時の8時間のコアタイムの2パターンから選ぶことができる。例えば、1歳児を前者の9時間のコアタイムで預けた場合、月6万5000円と良心的。認可以外の保育園に預けている場合に、補助金を支給する自治体も多いため、実質5万円程度になる家庭も多いだろう。コアタイム以外は30分単位で延長することができる(別途有料)。

天気のいい日は近隣の公園へ散歩
天気のいい日は近隣の公園へ散歩

 認証保育所のため、入園の申し込みは直接園に行う。

 「保育園経営を始めて15年が経ち、園も増え、保護者の方から信頼していただけるようになったと思います。そのおかげか、例年入園申し込みが定員を大幅に超える応募をいただいています」と山口さん。

 成城園では、保育は2歳児クラスまでなので3歳以降は転園しなくてはいけないが、それでも希望者は絶えないという。

 都心を中心に増えつつある駅型保育園。学童併設型も増えるなど、ますます注目度は高い。今後はただ立地がいいというだけではなく、その保育内容の充実度にも関心が集まるだろう。利便性と安心できる保育の両方を兼ね備えるための保育園の動向に注目していきたい。

(文/撮影 岩辺みどり)

DATA
小田急ムック成城園
東京都世田谷区成城6-5-34
成城コルティ3F
電話 03-5490-7369