妊娠時の栄養療法でIQの高い健康な子が生まれる?
ここまで栄養療法が妊娠をもたらすという話をしてきましたが、実践しているとマタニティーライフも快適になり、お産は軽く済み、産んだ後までメリットがあるのが栄養療法です。
妊娠中に母親が栄養療法を実践して生まれてきた子を、私は「ビタミンベビー」と呼んでいます。ビタミンベビーは精神的に安定しているのでいつも機嫌が良く、育てやすいのが特徴です。お母さん自身も産後の貧血がないので元気で母乳の出も良く、産後うつに悩まされることもありません。
成長するにつれて、よいこともたくさんあります。栄養が十分に満たされて生まれてきた赤ちゃんは健康で、免疫がしっかりついているので風邪を引くことも少なく、アレルギー症状が出る子が少ないのも特徴です。
そして、ビタミンベビーには優秀な子が多いのもうれしい結果です。妊娠期・授乳期にオメガ3系脂肪酸(DHAなどの魚油、エゴマ油、亜麻仁油など)を多く摂取した子どもは、4歳時にIQが向上したというノルウェーの研究報告があります。
また、ビタミンB1を1日2mg、1年間投与した子どもは、投与しなかった子どもに比べて記憶力が1.75倍、反応の早さが1.2倍、知能の発達が2.15倍、物事に対する興味・関心度が5.3倍高いという結果が出ました。
逆に、妊娠中にお母さんが鉄不足だったお子さんは、知能の発達、身体発育の低下、情緒不安定、注意力散漫といった影響が出ることも分かっています。
妊娠中に栄養療法を知らなかったというお母さんも、今からでも遅くはありませんので、実践してみてくださいね。症状別で言えば、アトピー性皮膚炎には「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンA」、受験などストレスが多い子どもには「ビタミンB群」「オメガ3」がおすすめです。
お母さんが子どもにイライラしてしまったときは、鉄が足りないサインですので、ヘム鉄摂取を心がけてください。