「高タンパク・低糖質」な肉・魚中心の食事を

 前ページのチェック表にある項目を、なぜ私がおすすめしていないのかというと……。

× 朝はフルーツやスムージーを取るようにしている

 フルーツには果糖やショ糖が多く含まれ、血糖値の急激な上昇を招きます。血糖値が急激に上昇すると、今度はそれを下げようとすい臓からインスリンが大量に分泌されるため、逆に低血糖状態に陥ります。血糖値の急激な上げ下げが日常的に続くと、排卵障害の原因になります。

 フルーツのなかでも、特にバナナは糖質が高いですね。フルーツを取るなら、糖質の低いイチゴ、グレープフルーツなどを少量に。

× 食事は野菜を中心とした和食を心がけている

 野菜中心の食事はタンパク質不足になりがちです。野菜が体に大切なのは言うまでもないことですが、妊娠を考える方には肉・魚を意識して取ることをすすめます。

× タンパク質は肉や魚ではなく豆腐や納豆で取っている

 畑の肉と呼ばれる大豆製品。肉や魚を食べなくても大豆製品さえ食べていれば十分と誤解されがちですが、栄養はその食材に含まれる量だけでなく、吸収率まで考えなくてはいけません。大豆製品などに含まれる植物性タンパクと、肉や魚に含まれる動物性タンパクを比べると、吸収率がいいのは動物性です。植物性タンパクばかり取っていると、タンパク欠乏を招く可能性があります。新しい命を迎えるためには、その材料となるタンパク質が不可欠です。

× コレステロールが気になるので卵は一日1個まで

 コレステロール値が高いのは危険と強調されがちですが、実は低いのも非常に危険。血清コレステロール値が低いグループのほうが死亡リスクが高いというデータもあります。また、不妊に悩む人には低コレステロールの傾向がありますし、妊娠中のコレステロールが低いと、早産・低体重児のリスクも上がります。

 コレステロールは女性ホルモンや細胞膜の材料です。善玉(HDL)コレステロール、悪玉(LDL)コレステロールという言葉がありますが、性ホルモンの材料になるのは悪玉のほうで、本来は善玉も悪玉もなく、どちらも体に必要なものです。コレステロールの多くは肝臓でつくられるため、食材のコレステロールは血清コレステロール値に反映されません。良質なタンパク質を含む卵は一日に2個でも3個でも食べてOKです。

× 就寝前3時間は食べないようにしている

 寝る前に食べると太るからと、空腹状態のまま寝てしまうと、睡眠中に低血糖状態を起こします。低血糖が不妊の原因になるのは前述の通りです。寝る前に空腹を感じたときは、ナッツやゆで卵、チーズなど糖質の低い軽食を食べるといいですよ。

――次の記事では、「ママになるために取るべき栄養素」にポイントを絞って解説します。

定真理子
新宿溝口クリニック・チーフ栄養カウンセラー。愛知県立大学、仏グルノーブル大学にてフランス語を学び、通訳、翻訳の仕事に携わる。栄養療法によって自身の不妊症を克服したのをきっかけに、分子整合栄養医学を学ぶ。講演やセミナー、雑誌などでも活躍中。著書は『35歳からの栄養セラピー 「妊娠体質」に変わる食べ方があった!』『「女性ホルモン力」がアップする食べ方があった!』(ともに青春出版社)など多数。

(文/中島夕子 人物写真/蔵真墨 イメージ写真/鈴木愛子)