時間当たりの成果を測る評価制度にしてほしい

── 時短勤務中の仕事について、職場での評価はどうでしたか?

樫野 あくまで自分の立てた目標に対してどれだけできるか、という視点で努力するようにしています。ただ、もっと時間当たりの成果を測るような制度だったらよいなという思いはあります。

守谷 思ったよりも、仕事の姿勢、効率、目標に対する成果をきちんと評価してもらえたという印象です。持っている担当数が少ないから評価が下がるということではなく、その担当数の中で出している成果、という観点で見てもらえました。

矢口 時短に切り替えるときに、「私に何を求めますか?」ということを上司と擦り合わせました。「時短にするからといってやる気が無いわけではないんです」ということも本音トークで伝えました。また、Facebookで仕事上の人とつながって、情報収集をしたり売り込んだりと、時間的制約を受けずにできる方法で、仕事に還元する工夫もしました。その結果、上司もとても理解を示してくれて、時短でも頑張ればちゃんと評価してもらえる、という成功体験を持つことができました。

「〇〇さんに手伝ってもらいました」と報告

── 助けてくれる職場の人へのフォローはどうしていましたか?

樫野 周りの人に仕事を助けてもらったときの申し訳ない気持ちの積み重ねが、一番のストレスですよね。

守谷 帰りの電車内ですかさず、「先ほどはありがとうございました」とLINEします。すると向こうも、「いいのよ、いつでも言ってね」みたいに返してくれる。こういう一手間、大事です!

矢口 私は、上司に報告する際に「○○さんが手伝ってくれたおかげでうまくいきました」と、本人にも聞こえるように言います。これは効果的。

青山 私も、助けてくれている人への評価をちゃんとしてほしいと思い、人事評価シートに改良を加えてもらうよう提案しました。それによって、助けてくれている人が評価されれば、私の心のストレスも無くなるかなと…。

矢口 仕組みって大事ですよね。私の職場では、残業削減のため全員が業務日誌を書くようになりました。すると「何をやっているのか」が可視化され、職場全体の残業が減ったんです。「残業する人=頑張る人」という図式が崩れ、生産性が重視されるようになってよかったです。

守谷 会社として「残業は悪」という風潮になってきていることは、時短勤務者にとっては追い風ですよね。いかに効率よくやるのが大変か、重要かということを分かってもらえたら、私達ももっと働きやすくなりますよね。

──次回も、先輩ママ達のリアルな声をたっぷりお届けします。

(取材・文/星野ハイジ)