中野 会社の仕組みとして、どうしたら、もっと子育てしながら活躍もしやすくなりそうですか?

A 本人のモチベーションのためにも昇格が7年に1回ではなく、もう少し早い段階で明確なステップがあってもいいんじゃないかと思います。3~4年くらい細かく刻んでいかないと、女性は焦ってしまうと思います。

C 総合職で入ったから仕方ないのですが、5年後、10年後にどの部署、地域に配属されているか分からない、自分では決められない、というのはやはり不安です。何となくこの辺で海外赴任になるだろうというのがもう少し分かるといいです。30~33歳で独身のまま赴任する人は「帰ってきてから結婚相手探して、子ども産めるかな」「今付き合っている彼氏と結婚して仕事を辞めるか」などと悩んでいます。理不尽な要求だとは思いますが、もう少し会社が希望をくんでくれたらいいなぁとも思います。

中野 自分で決められない、見通しが立たないというのは総合職ゆえですが、それによる不安は大きいですよね。

B 転職して、自分が自分のキャリアの主導権を握るという考え方にシフトしていくのが有効かなと思います。

D 私も転職経験などを通して、数カ月、数年の競争ではなく、価値を発揮できる軸で考えるようになりました。

――今回集まってもらった4人のメンバーは、新卒で入った会社の価値観にがんじがらめになりながら、それに今後も沿っていくべきなのか悩む2人と、転職したことにより、ある程度画一的な競争から脱して自分なりの道を切り開こうとしている2人のコントラストが出ていたかなと思います。

 ただ、子どもがおらず競争意欲も能力もそれなりにある女性達ですら、会社の中でステップを上がっていくイメージを持てないという実態は、ある程度共通していたように思います。長時間労働の問題や育児との両立の可能性は、子育て中社員だけの課題なのではなく、これから子どもを産むことを考える女性の意欲維持にも大きな影響を与えています。

 次回は、彼女達の仕事観を育んだ環境や夫選びについても触れ、家庭の面を含めたジレンマを追っていきたいと思います。

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(写真/吉澤咲子)