レールを敷くのではなく道筋を示す、桐島家流子育て
―― お母さんから教わったことでご自身でも子育てに生かしたいと思っていることはありますか?
桐島 独立心を育てることですね。もちろん僕は子どもを抱っこしますけれど、かわいがり過ぎないように、自分なりに気を付けています。これからますます厳しい世の中になるだろうから、それに備えてたくましい人間に育てないと。娘もそうだし、息子は特にこれからもっと厳しくしますよ(笑)。
夫婦で働いて子育てをしていると、子どもと接する時間が短くなってしまうと悩む人もいると思いますが、子どもは放っておいても育つ。自分が子どものときのことを考えると、本当にそうだと思います。親が思っている以上に、子どもというのは社会にもまれて育っていくものです。
ただ、道筋が少しだけ見えるようにしてあげるのが親の役目だ、と母も言っていました。子どものためにレールを一生懸命敷くのではなくて、少しヒントを与えてあげるくらいがちょうどいいのかもしれない。レールを敷いてあげること以上に大事なのは「どんな世の中でも生き延びていける」という、自分のサバイバル能力への自信をつけさせることかなと思います。母が僕に対してしてくれたのはまさにそれだったのかなと、大人になって感じますね。
(文/高橋京子 写真/蔵真墨 編集協力/Integra Software Services)