最初に選ぶべきなのは床と家具

 好みのテイストが決まったら、いよいよインテリア選びだが、最初に考えるべきなのは床の色だという。ナチュラルなオーク材がベーシックだが、スモーキーなものや木目のあるものまで選択肢は幅広い。

「よく窓サッシの形や色にこだわる人がいますが、空間全体のテイストにはあまり影響しません。空間に占める面積の大きい床の色を選び、次に家具を決めるのがよいでしょう。窓まわりはあとからカーテンで遊べばいいのです」

 壁についてはすべての面を同じ色で統一する必要はない。むしろ1面だけほかとは異なる色や素材を選ぶことで、こだわりの空間を演出することができる。

「タイルやレンガをあしらうなど、自由にコーディネートしていいと思います。本物の素材を使うのもいいし、タイル調やレンガ風のクロスを貼っても面白いでしょう。ユニークな柄のクロスは外国製のものが多いので、やぶれたら同じクロスに張り替えられない一期一会のものです。でも、そうやってときどき模様替えをするのも楽しいでしょう。壁だけでなく、ドアにもクロスを貼ると部屋の印象が大きく変わります」

 床の色を決めたら、あとは家具やラグ、カーテンなどで空間を仕上げていく。ここから先は特に定まったルールはなく、4つのテイストを意識しながら好みに応じて自由にアレンジしてかまわないという。

壁の色は統一せず、あえて1面だけほかとは異なる色や素材を用いることで、こだわりを演出できる。このリビングでレンガを使っているのは写真の一面のみ。テレビを載せたアンティークな家具とよくマッチしている
壁の色は統一せず、あえて1面だけほかとは異なる色や素材を用いることで、こだわりを演出できる。このリビングでレンガを使っているのは写真の一面のみ。テレビを載せたアンティークな家具とよくマッチしている

「クロスを貼るのは壁だけと決めつけなくていい」と河崎さん。ドアにクロスを貼ると部屋の印象が大きく変わる
「クロスを貼るのは壁だけと決めつけなくていい」と河崎さん。ドアにクロスを貼ると部屋の印象が大きく変わる

「インテリアのコーディネートって洋服と同じで、好きなものを合わせていく感覚でいいのです」と河崎さん。「例えば最近は夫婦で家事を一緒にする傾向が見られるので、キッチンで男性が作業するケースも増えています。その結果、レースよりもアイアンをあしらうなど、男性から見てもカッコいい暮らし像を実現できる空間が支持されているのかもしれません」

床の色を決めた後は、4つのテイストを意識しながら家具などを選び、空間を仕上げていく。写真左の机やベンチのような家具はじっくり選ぶのが楽しい。キッチンもインテリアにこだわってみるのもよい
床の色を決めた後は、4つのテイストを意識しながら家具などを選び、空間を仕上げていく。写真左の机やベンチのような家具はじっくり選ぶのが楽しい。キッチンもインテリアにこだわってみるのもよい