断熱性が高く、結露が発生しにくい樹脂サッシ

 一方、ガラスとともに窓を構成するサッシは、アルミ製から樹脂製へとシフトしつつある。アルミは加工しやすく低コストというメリットがあり、日本の住宅の窓サッシでは主流となっているが、熱を通しやすい点が最大のネックだ。諸外国の状況を見ると、木製サッシの多い北欧を除き、欧米などではプラスチックの樹脂サッシが普及している。

 樹脂はアルミに比べて熱伝導率が低いため、室内と屋外との熱の出入りが少なく、家全体の断熱性を高めることができる。アルミサッシの複層ガラス窓では52%だった熱の流出量が、樹脂サッシにすると20%に軽減されるという。

 「従来のアルミサッシ窓はガラスとサッシ(フレーム)を手作業で組み合わせ、ゴムパッキンで隙間を埋めていたので気密性が低く、ゴムの部分に汚れがたまりやすい面がありました。これに対し樹脂窓については当社では加工を工場で機械化し、ガラスとフレームを接着させたり、コーナー部分を熱で溶着させるので気密性が高く、隙間風や結露がほとんど発生しません」(浅見さん)

ゴムパッキンで隙間を埋めていた従来のアルミサッシ。ゴムの部分に汚れやカビが付着しやすかった(撮影協力/YKK AP 以下同)
ゴムパッキンで隙間を埋めていた従来のアルミサッシ。ゴムの部分に汚れやカビが付着しやすかった(撮影協力/YKK AP 以下同)

ゴムパッキンがなくフレームとガラスを接着した樹脂窓は隙間風や結露が発生しにくい
ゴムパッキンがなくフレームとガラスを接着した樹脂窓は隙間風や結露が発生しにくい

 結露などでカビや汚れが付着した窓サッシは掃除が大変だが、樹脂窓ならそんな悩みからも解消されそうだ。子育てに忙しいDUAL世代にとっては朗報といえるだろう。