保育園や学校から帰ってきて家族と一緒に過ごす家。幼い子ども達にとって、どんな家で暮らすかが、その成長に深く影響することは言うまでもありません。家づくりの工夫やちょっとしたアイデアの数々を『子どもの心が育つ魔法の家のつくりかた』(梧桐書院)よりお伝えします。今回紹介するテーマは「家族の距離を縮めるリビング」です。

 こんにちは。私たちは、家づくりわくわく調査隊です。健やかな子どもが育つ理想の家とはどんな家かを、とことんマジメに、研究調査してきた家づくりのプロ集団です。

 子ども部屋は小さく。あまり快適すぎず、不便なくらいがちょうどいい、と私たちは考えています。

 そんなふうに提案すると、「いや、ある程度の広さと、机、クローゼット、ベッド、エアコンは必要だ」とおっしゃる方も。

 でも、最近じゃ共感してくださる方のほうが多いのが特徴です。有名中学や東大に行く子の多くが、リビングで勉強していたと書かれた書籍が注目を浴びたせいかもしれません。

 難関校に受かるかどうかは別として、子どもが育つうえで、子ども部屋はそれほど快適でないほうが良いのです。自分の部屋より家族のいるリビングにいるほうがくつろげるという環境が、自室にひきこもることを防ぎますし、家族の距離を縮めます

 毎日、ダイニングテーブルやちゃぶ台を占拠して宿題をするかもしれませんが、個室で何をやっているかわからないより、ずっといいと思いませんか?

リビング・スタディコーナー

 リビング横にちょっとしたスタディコーナーがあると、とっても便利。

 毎日の宿題や工作、おもちゃ遊びも、ママの気配を感じながら没頭できます。子どもが小さいうちは、個室の子ども部屋よりこちらのほうがずっと活躍しそう。

 聞けば答えてくれる距離にいる親の存在が、子どもには大きな安心感になるものです。

(『子どもの心が育つ魔法の家のつくりかた』本文より)