男同士、プライドが邪魔して声もかけられない

 職場の同僚や同級生とは違って、パパ友とは新しく知り合いにならなければなりません。大人の男性にとって、これが思いの外、ハードルの高いことのようです。

 私はこれまで、「地域での仲間づくり」をテーマとした市民講座なども担当してきました。受講者の男性達は講座の最中はうなずきながら聞いているのですが、終わった途端にクモの子を散らすように帰ってしまいます。地域に仲間が欲しいなら、「ちょっとこの後、コーヒーでも飲みに行きませんか」と自分から声をかければいいだけのはずです。しばらく観察してみて分かったのですが、どうやらプライドが邪魔して友人になろうと声をかけられないようでした。

 そこで現在では、講座の最中に雑談の時間を設けました。参加者同士、強制的におしゃべりをする時間をつくっているわけです。講師が話すように促しているわけですから、意地を張ることなく、初対面の男性同士でも会話できるようにするのが狙いです。

 幸いにしてこの試みは成功しています。最もうまくいったケースでは、受講者同士がLINEでグループをつくり、飲み会を開催しています。私も誘っていただいたので、顔を出してきました。もう少し気候がよくなったらバーベキューに行く計画もあるそうです。

 パパ友は悩みを共有しやすいだけではありません。ご近所同士なので、気兼ねなく話ができる友人として頻繁に顔を合わせることができるという利点もあります。

余裕が無ければ、働き方は見直せない

 大人に新しい友人は必要ないと、少なくない男性が考えてしまいがちです。ですが、友人と遊ぶ余裕を持てない限り、現状の働き方を客観的に見直せないのではないでしょうか。仕事一辺倒で生きてきてしまった結果として、視野が狭くなっていることにぜひ気づいてください。 

 もちろん、新しい友人をつくるのは簡単ではありませんし、勇気が要ることだと思います。まずは会社の同僚を誘ったり、同級生に連絡したりして、仕事以外の自由な時間を楽しむところから始めてみてください。どのようなことでも、まずは実践しなければ、決して現実が変わることはないのです。