―― なるほど。「損しない」「もうかる」ということを、経営者が納得できる具体的な事例って大切ですね。

 この形で営業するようになって、もう一つ大きなメリットがあります。クライアントを訪問している場で、「指示」「修正」「確認」ができてしまうことです。

 これまではその場でクライアントから指示をもらって、「では社に戻って担当者に伝え、来週修正したものをお持ちします」だったのですが、担当のデザイナーやパタンナーをその場で呼び出し、その場で修正したものを再度、画面で確認してもらえるので、全部終わっちゃうのです。

 コストも時間も短縮できて、クライアントも大喜びです。「東京から離れている分、コストも高く、時間もかかるから発注しません」なんて言わせません(笑)。

クライアントとの打ち合わせの様子
クライアントとの打ち合わせの様子

―― 最後に、平社長は「在宅勤務を失敗させないポイント」は何だと思われますか?

 経営者が「在宅勤務=子育てのため」と思っている限り、成功は難しいでしょう。「在宅勤務=もうかる」ことを知って、しっかり投資して、しっかり元を取れれば、経営者は積極的に導入するはずです。

 平社長は「私はIT苦手だから」と言いつつも、在宅勤務が自分にも社員にも会社にもメリットがあると分かると、迷わず導入を決断した。とても気持ちのいいインタビューだった。

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『在宅勤務が会社を救う: 社員が元気に働く企業の新戦略』
田澤由利著/東洋経済新報社

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