「子どもにどの時期から、どんな習い事をさせるか?」――。多種多様な選択肢があるだけに、この問題の答えが見つからず迷っているママ&パパは多いようです。そこで特集「習い事のリアル~2015年春~」では、様々なジャンルの子ども(幼児~小学校低学年)向けのスクールを訪問。通っている子どものママや指導者の皆さんにお話をお聞きしました。

「どんな目的でこの習い事を選びましたか?」「習い事を通じた子どもの変化・成長は?」「先生はどんなことを心がけて指導しているんですか?」「子どもの能力や意欲を伸ばすためにどんな接し方や働きかけをしているのでしょう?」――など、習い事で気になるあれこれについて、生の声をご紹介します。

 今回フォーカスする習い事は「音楽」。中でも、スクール情報誌『ケイコとマナブ』調査(2014年)で「今、習っている習い事」の第4位にランクインした「ピアノ」です。全国に教室を展開する「ヤマハ音楽教室」を訪れました。(参考: 「多様化と細分化が進むイマドキ習い事。その理由は?」

まずは音楽を「楽しむ」。そして、「好きになる」ことから

 最初に見学させていただいたのは4・5歳児対象の「幼児科」。このクラスでは、「聴く」「歌う」「弾く」「譜面を読む」などの体験を通じ、音感や表現力の素地を養います。修了時には、楽譜を見なくても、和音やメロディーを聴き取ってドレミで歌ったり、弾いたりできるようになることを目指します。

 講師の中村由美子先生に、どんなことを意識しながら指導に当たっているのかを伺いました。

講師の中村由美子先生
講師の中村由美子先生

 「耳と心、両方を育むことが大切だと考えています。音を正しく聴き取る基礎力はもちろん、音楽を『楽しい・好き』と思えるようになってほしい。最初、よく分からないままお母さんに連れてこられた子も『気が付いたら楽しんでいた』となるように工夫します」

 「まずは、カラフルなイラストが入ったテキストで目を引く。そして、新しい曲を教えるときには、曲の世界にすっと入り込めるように語りかけます」

 「例えば、新しく習う曲がパンに関する曲であれば、『先生のおうちの近くにパン屋さんがあってね、朝の散歩中に通りかかると、パンを焼くいい匂いがしてきてね…』なんて話をして、子ども達に情景を描かせるんです。『かわいいお洋服』という曲を教えるときは『新しい洋服を着てお出かけするときってどんな気持ち?』と聞いたりします。子ども達が想像を膨らませたところで新しい曲を聴かせれば、子どもはその歌に入り込んで、『思わず歌っちゃった』となるわけです」

 「読書では『行間を読む』ことで理解や味わいが深まりますが、これは音楽も同じです。楽譜を見たりメロディーを聴いたりしたとき、どんな音楽なのかをつかむ力が身に付けば、自分の思いを音楽で表現することもできるようになります。子ども達が曲のイメージを描けるように、描かれる風景やストーリー、登場するキャラクターの気持ちなどを丁寧に話したり、『どう思う?』と想像させたりするようにしています」

最初は「立っている」・「聴いている」だけでも褒める

 子どもが「楽しい」と感じるには、「褒められる喜び」を経験することも大切だといいます。

 中村先生はどのような褒め方をしているのでしょうか。

 「細かなことでも、いいところを見つけて、たくさん褒めます。『ちゃんと立っている』『先生の話を聴いている』『先生の歌に合わせてマネをする』、そうしたことができただけでも『えらいね!』と褒めます。最初は簡単にできることから始めて、できたことに対してほめます。レッスン中には保護者の方も一緒に参加し、お子さんに付き添っていただいているのですが、お母様方にも、『10のうち9くらいは褒めてあげてください』とお伝えしています」

 とはいっても、幼い子どものこと、集中力が続かないことも当然あります。グループでのレッスンのため、ふざけて他の子にちょっかいを出したりする場面も。そんなときも、中村先生はその子をたしなめたり、叱ったりすることはしないといいます。

 「ふざけている子を叱ると、その子は『先生にかまってもらえる』と思って増長することもあります。だからあえてかまわずに、ちゃんとできている子をクローズアップして言葉をかけます。『**ちゃん、よく聴いているね、えらいね』と。そうすれば、ふざけている子も『ああしたほうが注目してもらえるんだな』と学んでくれます」

 グループレッスンという形式は、他の子の振る舞いから学んだり、協調性を身に付けたりする効果もあるようです。また、「アンサンブル(合奏・合唱)を行うことで、他の子と強弱をそろえたり、抑揚のつけ方を調整したりするといったバランス感覚も養われる」(中村先生)とのことです。

 次のページからは、実際に音楽教室に通わせている親御さんに、習い事を通してどんな経験や素質を身に付けさせているか(させたいか)を聞きました。

次ページから読める内容

  • 毎日コツコツ練習することで根気強さが身についた
  • 2年目に「蓄え」がボンッと開花した

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