インターネットを活用した市場調査(ネットリサーチ)を行うマクロミルが、教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹さんと共同で、「いじめの未然防止・早期発見を目的とするアンケートテンプレート」を作成しました。セルフ型アンケートツール「Questant(クエスタント)」の中で、2015年4月23日から提供を開始しています。「このテンプレートが、一つでも多くの悲惨ないじめの防止・早期発見につながればうれしく思います」と尾木ママ。このアンケートツールが生まれた背景と活用方法について、3月31日に行われた記者会見を取材しました。

いじめの防止とは、「これはいけない」と思える子どもを育てること

 マクロミルは、町中の飲食店、商店、教育機関、学校にも手軽にアンケートが取れるように、2013年からセルフでアンケート調査ができるサービス「Questant」を始めています。今回、このサービスを活用し、尾木さんと「いじめの未然防止・早期発見を目的とするアンケートテンプレート」というプロジェクトを開始しました。

尾木直樹さん
尾木直樹さん

尾木直樹さん(以下、尾木) こんにちは、尾木直樹です。「尾木ママ」と呼ばれております。

 さて、本日発表する「いじめの未然防止・早期発見を目的とするアンケートテンプレート」のひな型は、僕が1997年に作り上げていたものです。僕は96年、当時、いじめ問題への取り組みが盛んだったデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの北欧4カ国を訪ねました。そこで衝撃的だったのは、いじめ問題を克服するには“防止教育”が不可欠だと気づかされたこと

 そもそもいじめは、加害者がいなければ起きないことですよね。加害者は、相手をいじめようと思って行為に及んでいるのではなく、「遊び」だと思っている。人格がゆがんでしまっているんです。だから、いじめ防止の要は、「人間の尊厳に対して意識が高く、人権侵害への感度が働く、『これ以上やったら、いじめだ』と思える感性豊かな子どもを育てることなんだ」と学びました。

 そして、帰国後、すぐ着手したのが、教育現場で役立つ調査アンケートの作成でした。筑波大学大学院名誉教授・宗像恒次博士の力を借りて、統計学的にも十分耐えうるアンケートを確立したんです。そして、出版した本が『いじめ防止実践プログラム―一人ひとりの教師への指針』でした。

 この本の中にアンケート項目もすべて掲載したんです。いじめ問題がクローズアップされるようになったのは1985~86年ごろからですが、僕は、この本の出版で、いじめ問題は予防・防止という観点からの取り組みが広がるだろうと思いました。ところが、社会的には全く受け入れられなかった。当時の日本では、いじめ防止教育には目が向けられなかったんです。その後も、いじめによる多くの自殺者が出てしまいました。

次ページから読める内容

  • 意識の高い自治体は、新しい取り組みを始めるはず
  • 子ども達の“いじめ感度”を浮き彫りに

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