普段から危ないポイントを子どもと話し合う習慣を

hitomi 先生の見方を学んでいくと、“街を見る目”が変わりますね。自分が感覚的に危ないと感じていた場所が先生の見方と一致していた部分もありましたけど、まだまだ危険を見分ける目は甘かったなと感じます。今のままだと、習い事までの道のりとか、子どもを一人で歩かせる“独り立ち”はさせられないなと危機感を覚えました。

小宮 お子さんと一緒に街を歩いてみたり、テレビで事件の報道を見たりしながら、どういう場所が危ないのか、そのポイントについて話し合うといいですね。こうして防犯のために街を注意深く見る習慣をつけていくと、子どもの観察力や集中力も上がるので、必然的に学力も上がりますよ。

hitomi そうなんですか! 私、子どものころ、かなり注意深く見てたんですけど、学校の勉強はてんでダメでした。でもその分、歌への集中力は上がったかな(笑)。

 今日学んだことを早速、親子で実践してみたいと思います。子どもに危ない場所のポイントを教えた後、「ここは危ない場所? それとも安全な場所?」と抜き打ちで聞いてみますね。誰か友人に頼んで子どもに声を掛けてもらうのも手かな?

小宮 誰かに頼んで子どもに抜き打ちテストをする場合はコツがあります。その場所がどうして危ないのか、大人が近づいてきたとき、何に気を付ければいいのかを最初にきちんと言葉で説明してから、ご友人に声を掛けてもらうんです。最初に説明しておかないと、子どもは引っかかってしまった場合、「もし知ってたらちゃんとやってたよ〜」ときっと言いますよね。でも説明を聞いた後にそれでも引っかかると、危険性がよりリアルな実感になるんです

hitomi なるほど! ぜひそうしてみます。今日のお話は大変ためになりました。子ども達にはしっかりと防犯意識を身に付けてもらいたいと、切実に感じました。子どもが小学校に上がることで不安ばかりでしたけど、親が何をするべきかの道筋が見えたような気がします。ありがとうございました!

 ——さて次回は、hitomiさんのブログに寄せられた「子どもの防犯」に関する読者の質問について、hitomiさんがお答えしていきます。引き続き、次回もご覧ください!

小宮信夫
中央大学法学部法律学科卒業。ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科修了。法務省、国連アジア極東犯罪防止研修所、法務総合研究所などを経て立正大学文学部社会学科教授。地域安全マップの考案者。現在、警察庁「持続可能な安全・安心まちづくりの推進方策に係る調査研究会」座長、東京都「地域安全マップ指導者講習会」総合アドバイザー、群馬県生活安全教育アドバイザー、青森県防犯環境設計アドバイザー、宮城県安全・安心まちづくり推進アドバイザー、墨田区「地域防犯リーダー養成講座」総合アドバイザー、藤沢市安全・安心まちづくりアドバイザーなど。『犯罪は予測できる』(新潮新書)など著書多数。公式ホームページ「小宮信夫の犯罪学の部屋」

※日経DUALでは小宮先生が小学校で小学生達に向けて行った安全教室を取材しています。
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hitomi
1976年生まれ。1994年にデビュー。歌手活動やモデル活動、TV出演のほか、美脚商品やヨガウエアのプロデュースも行っている。「美脚キュッ+骨盤ケア」(びきゃっきゅぷらす)、animaとの第3弾コラボヨガウエアは現在好評販売中。現在2児の母。詳しい情報はオフィシャルブログ「Love Life」をチェック。

(文/伯耆原良子 写真/有本真大)