hitomi でも、この公園には遊具の近くに大人も座れる場所もあって、ママ達が子どもの様子を間近で見られるからいいのかなって思ったんですけど。

小宮 それがむしろ危険ポイントなんですよ。遊具の近くにベンチのような座る場所があるということは、他の見知らぬ大人もそこに座って自然と子どもと距離を詰めやすいことにもなります。見知らぬ大人であっても、20~30分も間近で一緒に過ごせば、子どもはついつい心を許してしまうものなんです。

hitomi え~! それはマズイ。公園内や遊具の近くにベンチがあるのは当たり前と思っていたので驚きです。

小宮 海外の公園では、子どもの近くに座るスペースを作らないところが多いです。特に、遊具の周りは柵で囲って子どもしか入れないようにしています。子どもだけが遊べるゾーンを作り、大人が近づいたら子どもが自然に警戒できるように工夫しているんですね。

日本の公園は悪用する人がいる前提で設計していない

—— さて、しばらく歩いていくと、また別の公園が見えてきました。

hitomi こちらは先ほどの公園より安全そうな感じがします。入りやすい場所ではありますけど、奥が行き止まりになっているので、犯罪者にとってはすぐ逃げられる感じがしないなと。それに家が近くに立ち、窓からも見えやすそうです。ベンチもあるにはありますが、遊具からは距離がありますね。

小宮 そうですね。先ほどの公園よりも安全度は高いです。ただ、トイレが男女共用の一つしか設置されていませんね。公園にトイレがあるところは多いですが、トイレは密室になるので、本当はトイレ自体無いほうがいいんです。特に男女共用のトイレなんて、もっての外。それぞれが離れた位置に設置されていれば、例えば女性用の周辺に男性がいたらおかしいと分かるし、逆もしかりです。

hitomi そう考えると、日本の公園はほとんどが危ないってことなんでしょうか?

小宮 日本の公園で合格点をあげられるところはまず無いと言っていいでしょう。というのは、公園を悪用する人がいるという前提で設計していないからなんです

hitomi そうなんですか……。おちおち子ども達だけで遊ばせられないですね。でも、もし公園で遊ばせるときは、先生に教えてもらったポイントに当てはまる、なるべく安全度の高い公園を探したほうがいいですね。