文化の変革には、女性のやわらかな行動力が不可欠!
49歳以下の女性を対象に新しいカタチの講座型スクール「UZU(うず)の学校」。その設立趣旨には、これからの日本が成熟社会を目指す上では「対立するのではなく共生する世界」「多様性を認め合う世界」がキーワードになること、その変革を促していく原動力として、やわらかな感性を持ち、既存の枠組みにとらわれない発想力・行動力が持つ女性の力が不可欠だというメッセージが掲げられている。
講師陣には、スプツニ子!さん、映画監督の庵野秀明さん、上羽絵惣十代目の石田結実さん、ファッションモデルで日本ロリータ協会会長の青木美沙子さんなど、日本のカルチャーを牽引する豪華な名前が並ぶ。スプツニ子!さんは、ポップな映像でテクノロジーやフェミニズムを扱う作品が国内外から評価を集める気鋭のアーティスト。13年秋からはマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教として教育の現場にも携わっている。
また、グランドデザイン代表の小川和也さんは、著書『デジタルは人間を奪うのか』な どを執筆するデジタルマーケティングの第一人者。デジタルマーケティングの世界で活躍する傍ら、「UZUの学校」の構想を安倍昭恵さんと温めてきた。
羽生編集長(以下、羽生) 「UZUの学校」のコンセプトを伺った時、新しいリーダーの育成や女性の活躍を、文化やアート、マイノリティの世界から掲げている未来志向がユニークで素晴らしいと思いました。講師陣のジャンルも本当に幅広い。昭恵さんがこの学校を開校しようと思われたきっかけをまず伺ってもよろしいですか?
安倍昭恵さん(以下、昭恵さん) もともと、私が地元の山口県の安全でおいしい食材を使ったお店をやってみたいなと「UZU」という居酒屋を始めたのが2012年10月。夫が総理大臣に任命されたのは12月なので、「総理夫人」になる前のことですね。私は知らないことを知るのが好きで、女性たちが自由に意見交換をする場を作りたいと思って、居酒屋の2階で楽しくやっていたんです。首相夫人という立場になると、様々な世界でご活躍の方々からお話を伺える機会が増えてきて、「私だけが聞くのはもったいない!」と、学校の形にしようと思ったんです。
小川和也さん(以下、小川さん) 最初は「水戸黄門プロジェクト」だったんですよね。昭恵さんが各地を訪ねていって、現地の活動に入り込んで交流するという構想もありました。隣で一緒に農作業していた女性がふとほっかむりを外した時に、周囲が「あなたは昭恵さん?!」とどよめくみたいな(笑)。3年くらいかけて構想して、ディスカッションを重視した講座型のスクールとして始めることになったんです。「UZU」という名前にも特別な意味があるんですよね。
昭恵さん 「社会を変える渦をつくる」という意味もありますが、私が好きな日本神話の女神、アメノウズメノミコトに由来しています。アマテラスが天の岩戸に隠れたときに、ワイワイと楽しく踊って、アマテラスを外に出させたというエピソードがとても好きなんです。女性たちが元気に楽しくしていることで、世の中の閉塞感を突破できる力になれたらという思いを込めているんです。
羽生 「世直し」の感覚でやっていらっしゃる?