ぜひ覚えておきたい2つの危険ポイント

小宮 危ない場所を見分ける「景色」のポイントは2つあります。危ない場所とは、「入りやすい」と「見えにくい」が当てはまる場所です

 例えば、道を走っている車から見た場合、ガードレールがある歩道と無い歩道とでは、どちらが侵入しやすいか(子どもに接触しやすいか)というと、ガードレールの無い歩道ですね。ガードレールが無い場合、車のドアを開けて子どもを連れ去りやすいのですが、逆にガードレールで防御されていれば、車を横付けしても子どもはすぐには乗れませんから、犯罪者もあえてそういう場所は選ばないんです。

hitomi なるほど。ガードレールがある歩道のほうが安全ということですね。ただ、ガードレールはあっても、その内側を歩くように子どもに伝えないとダメですね。子どもって遊びながら帰ると、思いっきり外側を歩いちゃいそうなんで。

小宮 子どもには、なぜガードレールが無いと危ないのかの理由もきちんと説明してあげる必要がありますね。

 ここでお伝えしている「入りやすい場所」というのは、ガードレールが無い歩道はもちろん、柵で囲われていない公園やオートロックの無い集合住宅なども挙げられます。とにかく誰もが容易に入れる場所は気を付けましょう、という意味なんですね。

 もう一つのポイントである「見えにくい場所」というのは、要するに「人から目撃されにくい場所」です。例えば、道沿いの家や建物に窓が無かったり、もしくは窓を遮るような高い塀があったりして、家や建物の中にいる人から見えにくい場所は、犯罪者も現れやすいと言えます。

 反対に、道沿いの家や建物に窓がたくさんある場合は、周囲から見られているという意識が働くので、犯罪者が近づきにくいんです

hitomi うちの近くに緑道があるんですが、道沿いに木々があってすてきな道でも、子どもだけで歩くのは危険かなって思っていたんです。確かにそこは、誰もが「入りやすい」ですし、道沿いの家からは緑が遮って「見えにくい」のかなと思います。

小宮 hitomiさんがすでに危険を感じているように、緑で周囲の家々からの視線が遮られている緑道や遊歩道は要注意です。お子さん一人では歩かせないほうがいいでしょう。

hitomi はい、これからも引き続き注意したいと思います。実はですね、うちのマンションのすぐ近くに小学校があるんです。至近距離だけに通学も問題無いという感覚でいたんですけど、先生のお話を聞いていると、そうでもないかも……と思えてきました。

小宮 それは決して安心できませんよ。マンションと学校は子どもを狙う犯罪者が一番好きなシチュエーションです。なぜなら、彼らにとっては“子どもという獲物”がたくさんいるエリアなわけですから。