働きながらの妊娠を経て赤ちゃんと向き合ったときの戸惑い、夫との気持ちのズレ、ジイジ、バアバとの関係、ママ友とのトラブル…。悩みや不安はつきないものです。そんなママ達が今まで誰にも聞けなかった本音の問いかけに対して、「育児ストレス」や「育児不安」を様々な形で支援してきた大日向雅美先生が答えます。本コラムは『悩めるママに贈る心のヒント』(大日向雅美監修/NHK出版編・2012年刊)から、お届けします。

 たくさんの人たちから祝福されて、人生のパートナーである夫との新しい生活をスタートしたのは、何年前のことでしょうか。初めのころはきっと、食事の味つけや習慣の些細な違いにぶつかることもあったかもしれません。しかし、その都度少しずつ歩み寄りながら、楽しく過ごしてきたのではないかと思います。相手を理解し、それぞれの趣味や仕事も尊重しながら、互いに程よい距離感やバランスも取れてきていたことでしょう。

 しかし、赤ちゃんが産まれると、このバランスは再び大きく変化することになります。環境が激変する中で、2人の関係をあらためて確認し、助け合いながら、森を歩いていくステージに入ったのです。
 「こんなはずじゃなかった」「こんな人だとは思わなかった」
 時にはそんなふうに感じることもあるかもしれません。何も知らずに飛び込んだ子育ての森で、好奇心が芽生えていきいきとする夫、初めてのことは苦手だと逃げ腰になる夫、得手不得手があるのは当然のことでしょう。

 未知の森を歩くには、1人より2人のほうが心強いものです。時には助け合い、時には一緒に困り、また時にはケンカをしながら、森の魅力や手強さなどをともに味わえるようになりたいですね。

「ウンチはオレ無理!」とか言われると倒れそうになる

 赤ちゃんがウンチをしたときに、こんな言葉が夫から聞こえてきたらカチンとくることでしょう。

「なんで、『無理!』なんて言えるの!! 私だって毎日何度もおむつを替えているのよ!」と、思わずケンカ腰になってしまうかもしれません。「ウンチをするのは健康な証拠。わが子なんだから、『いっぱい出たね』なんて言いながら替えてくれるといいのに」と悲しくもなることでしょう。