一流レストランの間で広まりつつあるキッズデー。子連れでも気兼ねなく、上質な料理を味わえるのが大きな魅力ですが、最近は大人の楽しみのためだけでなく、子どもの食育の場としても注目されています。例えば、子ども向けのメニューに本格的なフランス料理をコース仕立てで提供するレストランも登場。料理の内容も吟味され、季節の野菜をたっぷり使って食材の「旬」を感じさせるなど、わが子に伝えたい食の知識や工夫が込められています。キッズデーだからこそ得られる、おいしく有意義な食体験。子どもと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

子ども向けにもしっかりとコースで用意

 キッズデーといって、親が頭を悩ませるのが「果たして子どもが喜んで食べられるメニューがあるのか」という点。親にとってはもちろん楽しい美食空間であるレストランも、子どもにはあまり遊ぶことができない退屈な場所。初めこそ目新しさにワクワクしていても、子どもの興味をそう長続きさせられないのが相場だ。

 子どもが夢中になれる食事があれば、一緒に楽しむことができるのに……。そんな親の願いをかなえてくれるのが、東京・銀座にあるフランス料理店「ロドラント」だ。ロドラントが開催するキッズデーの特徴は、何といっても素材も調理法も大人と同じ「本気のフレンチ」メニュー。

 「子どもにも本物のフランス料理を知ってほしいと思います。だから、うちではキッズメニューも手抜き無し。しっかりとコースでご用意しています」とオーナーシェフの今帰仁実さん。キッズデーは毎月2回、土曜と日曜の昼に実施する。

 通常、フランス料理といえば、バターやクリーム、赤ワインなどをたっぷり使った重たい料理で、子どもには受け入れにくいというイメージがある。しかも、肉料理や魚料理はカトラリーをうまく使えないと食べられないため、子どもはナイフさばきが面倒になり、すぐに飽きてしまうのでは、という心配もあるだろう。

 しかし今帰仁シェフの作るフランス料理は親の心配をよそに、子どもが進んで完食するケースがほとんどだという。

 それでは、子どもが完食するフランス料理とは、一体どんなものなのだろう。

ビルの地下にあり、銀座の中心とは思えないほど静かで落ち着いた空間が広がっている。ゆったりできるボックスのソファ席もあり、予約が可能
ビルの地下にあり、銀座の中心とは思えないほど静かで落ち着いた空間が広がっている。ゆったりできるボックスのソファ席もあり、予約が可能