「4月には育休から復帰する部下がいる
時短勤務の社員が増えてきた」
「どうやら頼れるアイツが育休を取りたいと思っているらしい」
「子どもが小学生に上がり、残業ができなくなった社員がいる」
「うちも、隣の部署も、子育て社員がいて常に欠員のチームだ」

 常に、マイナス1でチームを回さなくてはならない、そんな職場が増えています。 欠員の補充はないまま、結果を出し続けなければならないなんて…。

 そんな欠員チームが力を最大に発揮できるようにするためには、「イクボス式」というマネジメント術が必要です。

 日経DUALでは、子育て中の社員の皆さん&チームリーダーの皆さんに向けて、上手にチームワークを高めるノウハウをお伝えするために、サイトの記事でも反響が高かったイクボス講師達のマネジメント術や先進企業の実例ノウハウを1冊にまとめた『崖っぷちで差がつく上司のイクボス式チーム戦略』を作りました。今回は、その書籍の中から抜粋してイクボス式マネジメント術をお届けします。

 早く退社しなければならない事情を抱える制約社員が意欲を持って働き続ける上で、「上司の一言」は大きな意味を持ちます。何気なく発したつもりの一言で部下は傷ついたり、意欲を著しくそがれたりするものです。

 例えば、こんなボスはダメボス!

 では、日常的に交わされる会話の中で、上司の発言としてどんな点に気を付けるべきか。実際によくあるシチュエーションとして、「時短勤務の部下が退社するとき」「育児中の部下に保育園から突然の呼び出しがあったとき」を例に考えてみましょう。まず、下の会話例をご覧ください。

【時短勤務編】

× <ダメボスの対応>

部下A すみません。お先に失礼します。

上司 ああ、お疲れ。

部下B なんだ。あいつ仕事を残して帰ったのか。

部下C なんであの先輩だけ早く帰れるんですかね。

上司 まあ、時短勤務だからな。いや、ホント、困ったもんだよ。

 

〇 <イクボスの対応>

上司 ええと、今日も4時に帰宅だったっけ?

部下A はい。

上司 じゃあ、業務報告シートを見せてもらおうか。ふむ。今日は10人訪問予定で9人会えたわけか。目標のアウトプット3件はできているね。よし、オッケー。じゃ、今日は終わりだ。

部下A ありがとうございます。

上司 お疲れさま。

部下A お先に失礼します!

一同 お疲れさまでした。

部下B なんであの先輩だけ早く帰るんですか?

上司 彼女ね、保育園のお迎えの時間が決まっているんだよ。帰宅してからも家事や育児があるから大変なんだ。

部下B そうなんですか。

上司 そもそもフルタイム勤務と違って勤務時間が減っている分、給与も下がっているんだよ。

部下B え!? そうなんですか! 知りませんでした。

上司 君も何かあればみんなでフォローするし、お互いさまでいこう

次は「部下が保育園から呼び出しされた場合」。さてあなたはどうする? ダメボスとイクボスの対応例をみてみましょう!