コーチングは万能ではない(特に低学年の場合)
さて、このようにコーチングの力を見てくると、そこに万能性を感じる方もいるだろう。しかし、決してそうではないと山田さんはいう。
「相手から“引き出す”ことが肝要となるコーチングは、時間もかかりますし、小さな子どもには難しい場面もある。ですから『ティーチング』は欠かすことができません」
ティーチング、つまり「教える」という行為とコーチングとを、バランスよく使うことが大切なのだ。
「コーチングとティーチングのバランスは、とても重要です。小学生高学年になればコーチングの割合は高まりますが、小学生低学年ならその比率は1、2割といったところでしょう。やはり幼いときは、『考えなさい』といってもなかなか考えられません」
学校教育では、「どうしても進めなければならない課題」があるが、その都度コーチングを使っている時間の余裕はない。そこで山田さんの場合、大きなイベントのときはコーチング、それ以外にはティーチングと使い分けているという。
ちなみに、学校ではティーチングで教えることを「価値ある強制」といったりするという。家庭においても「価値ある強制」とコーチングを使い分けるのがベターだろう。