朝まで編集、が勲章みたいに言われるテレビ業界で(いまどきは家でも編集できるのだが、まだまだ“今日も帰れない俺”が武勇伝になる)子供の迎えで早めに帰る夫の背中に、どんな視線が注がれていたかを思うと、夫は私以上に大変だったのではないかと思う。そんな日本での子育てを経て、今はオーストラリアで家事専業となった夫と、出稼ぎの私。あるべき育児スタイルとか、言ってる場合じゃない。完全にうちはうちのやり方で、この1年を乗り切った。生きていくために!

寂しさを感じない人生なんてない。けど、再会したときは愛を思いっきり伝えよう

 長男が生まれてから12年。「忙しい親は子供と向き合う時間が取れない」「子供は寂しい思いをする」という声に、今なら私たちはこう答えるだろう。「確かに時間は限られている。お互いに寂しい思いもする。だけど、私たち一家はみんなでそれを乗り越えてきたんだ。全員が、ヒーローなんだ」って。

 息子たちは今も楽しそうに保育園の思い出話をする。「仕事でお迎えが遅いこともよくあったね、ごめんね」と言ったら、「でもみんな親が働いているから親って働いているもんだと思っていたよ。なんで急にそんなこと聞くの?」とご飯をもぐもぐやりながら驚いていた。うん・・・そうだね、そうだった。お互い寂しいこともある、だけど一緒にいると楽しい、それが人生だよね! とかえって励まされたのだった。

 この春から保育園に子供を預ける人は、今不安でいっぱいだろう。親子離れ離れは、そりゃつらい。だけど、寂しさを感じない人生なんてない。寂しさを感じたかどうかじゃなくて、寂しいときに一緒に同じ思いをしている人がいたかどうかってことが大事なんだと思う。そして、大好きな人に会えた時に「会いたかったよ!!」って抱きしめられたかってことが大事なのだ。だから、子供が「行かないで!」って言ったら、心の底から言ってあげていいのだ。「私も寂しいよ、行きたくないよ。だけど、生きてくためにはお金が必要だから、行ってくるね。お互い、今日も1日、一緒に頑張ろう!」って。お迎えに行ったら、ハグしてチューして、人目をはばからず大いに再会を喜べばいい。出かける親と置いて行かれる子どもがいるんじゃない。家族はいつだって、チームなのだ。