子どもにスマートフォンを渡すとき、どんな点を注意すればいいのでしょうか。NTTドコモが小学校で行った安全教室から、親と子ども、双方で知っておきたい知識を紹介します。前回の記事「スマホ防犯教室 個人情報はこんなところから漏れる」では、インターネットを利用するときに知っておきたい「個人情報」について解説しましたが、今回はインターネットに潜む「犯罪」について解説します。

その人を信じていい? インターネットは「なりすまし」だらけ

――今回お邪魔したのは、土曜日の午前中に、杉並区立杉並第十小学校の体育館で開かれた「スマホ・ケータイ安全教室(入門編)」。NTTドコモあんしんインストラクターの山崎義道さんが、小学生、そしてその保護者にインターネットの危険性について解説していきます。次のテーマは「なりすまし」です。

山崎 次は、「知らない人とのやり取り」についてお話しします。スライドを見てください。この女の子は、自分のことを「ダンスの好きな小学5年生」と言っていますが、これは本当だと思いますか?

児童 「嘘だと思う」「本当かもしれないよ」「本当かもしれないし、嘘かもしれない。本当のことは分からない」…

山崎 たくさんの意見が出ましたが、「分からない」が正解です。もちろん、本当のことを言っているかもしれません。でも、もしかしたら女の子のふりをした大人かもしれません。このことを踏まえて、「インターネットで知り合った仲良しの友達に会いに行ったらどうなるか」、ということを考えてみましょう。考えるためのヒントとして、これから再現ドラマを映しますから、それを見てください。

――ここでプロジェクターが登場し、再現ドラマが映し出されました。ドラマの中で主人公の男の子は、ゲームサイトで知り合った女の子と楽しくお話をしていました。しかし、日を追うごとに怪しい流れになり…。

プロジェクターで映像やスライドを映しながら説明する山崎さん
プロジェクターで映像やスライドを映しながら説明する山崎さん

 さあ、どうでしたか。今のドラマの主人公は、ゲームサイトで女の子とやり取りしていると思い込んでいましたよね。しかし、約束をして会いに行ってみたら、3人組の怖い男の人が出てきました。これは、誰かのふりをして相手をだます「なりすまし」という行為。主人公は、その被害に遭ってしまったのです。

 そこで質問です。僕が小学生の女の子になりすまして、「みんな、会いに来て!」って言ったら、どうします? (かわいらしい声で)「みんな、会いに来て!」

――山崎さんのユーモラスなジャスチャーに小学生達は大爆笑。

児童 「絶対に会いに行かない!」「女の子じゃないじゃん!(笑)」

山崎 そうですよね。誰も会いに行かないですよね。それでは、皆さんはどうして僕が「小学生の女の子」ではないと、分かったのですか?

児童 「見えるから!(笑)」「でっかい男の人だもん」

山崎 そう、「実際の姿が見えてるから」ですね。姿を見て、声を聞いているから「小学生の女の子ではない」と分かったんです。でも、インターネットではどうでしょう? やり取りしている相手の顔は見えませんし、声も聞こえません。だから、インターネットでは「なりすまし」が簡単にできてしまうのです。

――インターネットは「なりすまし」が簡単にできるから、ネットで知り合った人と会うのは危険だと山崎さんは強調しました。