フィンランドの首都ヘルシンキに8年住み、出産や子育てを経験したワーキングマザー、安藤由紀子さんによるレポート第3弾。第1回「フィンランド人の夏休みは森で1カ月コテージ滞在」、第2回「夫婦の特別な日には気軽にベビーシッターを利用」に続いて、今回は話題の「ネウボラ」の手厚いサポート内容やフィンランドらしい子育ての習慣についてお届けします。

妊娠から産後健診まで手厚くサポートするネウボラ

 日本でも注目されつつある、フィンランドの子育てセンター“Neuvola(ネウボラ)”には、私も妊娠してから大変お世話になりました(ネウボラについてはこちらの記事「フィンランドの切れ目ない家族支援『ネウボラ』」を参照)。妊娠して通い始めると、自分を担当してくれる保健師さんが決まり、出産後の赤ちゃん健診もしてもらえます。ですから出産後に息子を診てもらうころには、気心もだいぶ知れてきた安心感と、何より信頼感がありました。

バギーを押して湖や海の近くを散歩することもしばしば
バギーを押して湖や海の近くを散歩することもしばしば

 「何かあったらいつでも電話してきていいわよ」と言ってくれ、これはフィンランドに他に家族や親戚がいなかった私達一家には非常にうれしい言葉でした。

 そして、赤ちゃんだけでなく、母親である私や父親を含めた家族のことを色々と気にかけてくれます。ネウボラではまず赤ちゃんの健診を行い、元気で問題がないことが分かると、その後は「あなたは大丈夫?」と私、そして夫に対するカウンセリングが始まるのです。

 「睡眠はどのくらいとれているのか」「食事はきちんととれているか」「生活環境の変化をどう感じているか」「友人に会えているか」などを質問されました。

 もちろん妊娠や育児についての私からの質問にも丁寧に答えてくれます。3人の子どもを育ててきた先輩ママとして、子育てに関する情報も自分の経験談を交えて話してくれたのは心強かったです。

1時間の健診の半分は母親や父親の話を聞いてくれる

 1回の健診は30分から1時間。少なくともそのうちの半分は、母親、父親の話を聞くことに充ててくれました。赤ちゃんがいる生活環境で重大な問題の一つは、親が育児で精神的に参ってしまうことであり、それは極めて起こりやすいことだと考えられているようでした。

 逆に言えば、「親が精神的に健康でありさえすれば、大抵の赤ちゃんは元気に育つ」ということ。「だからこそ、育児中は自分達のことも大切にしなさい」と言われているような気がしていました。

 一方で、そんな優れたネウボラ制度にも、フィンランド人の働き方が現れていました(フィンランド人の働き方については第1回の記事を参照)。

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  • 親になる喜びをくれた国からの出産祝い
  • マイナス15度でもバギーを外に置いておくのが常識
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