フィンランド人の生活はとてもシンプル

 一見、優雅で裕福そうに感じられる余暇の過ごし方。「フィンランドでは他にすることが無いからだよ」と言うフィンランド人もいました。

 「もちろん自然は大好きだけど、休みはあっても、旅行をすればお金はかかるし、この小さな国では娯楽施設もあまり多くない。だから森の中でサウナに入り、湖で泳ぎ、ゆったりと自然に囲まれて過ごすんだよ」と笑いながら話していました。

 確かに、基本的にフィンランド人の生活は質素というか、とてもシンプルです。日本人と比較すると食生活も消費行動も質素です。ですが、長い休暇を取り、ただゆったりと自然の中で過ごす時間を持っているのです

 外国人夫婦である私達家族は、モッキを所有していませんでしたが、夏の1カ月はやはり有意義な家族の時間でした。どちらかの故郷に帰国して、現地の親戚や家族と過ごしたり、文化を楽しんだりする時間が十分にありました。また、ヘルシンキで夏を過ごすときには、知人のモッキに泊まって、フィンランド式の夏も楽しみました。

モッキのすぐそばにはサウナ。そしてその目の前には湖。サウナで温まり、冷たい湖に飛び込む、というのを繰り返すのが楽しみ方
モッキのすぐそばにはサウナ。そしてその目の前には湖。サウナで温まり、冷たい湖に飛び込む、というのを繰り返すのが楽しみ方

 ——次回は、フィンランドでの子育てのしやすさなどについてお伝えします。

安藤由紀子
建築家/一級建築士。個人住宅、幼稚園、保育園の園舎、公共施設などの建築設計に携わってきた。2006年より仕事でフィンランドへ。ドイツ人男性と結婚し、2011年にフィンランドで出産。2014年に帰国し、現在は日本在住。1児の母。

(構成/岩辺みどり)