私がフィンランドで暮らすことになった理由
初めまして。安藤由紀子です。私がフィンランドの建築設計事務所に勤務することを決め、単身でヘルシンキに向かったのは2006年の春のこと。それ以前は、日本で意匠系の建築設計事務所に勤務していました。
そろそろ事務所を移るか、今後のキャリアをどうしようかと考えていたころ、上司から「ヘルシンキの建築設計事務所に勤務できるかもしれない」という話を聞いたため手を挙げました。当時の上司である建築家が日本フィンランドデザイン協会とつながりがあったのです。
「1年もしくは2年ほど海外で経験を積みたい」と考え渡欧したのですが、想像以上に居心地がよく、3年、4年とあっという間に時は流れていきました。
やがて、同じく建築家のドイツ人男性と結婚し、その後2011年にヘルシンキで長男を出産。そして昨年、8年間過ごしたヘルシンキを離れて帰国しました。
フィンランドは最初の数年間は一人暮らし、その後は二人暮らし、そして最後の3年ほどは家族3人の生活と、私にとって人生の転機を過ごした国となりました。