部下との違いを知ることが自己成長だと「腑に落ちた!」
参加した管理職はどう感じるのか。
この日のセミナーに参加していた2人から直接話を聞けた。
「部下と自分との“違い”をよく理解し、そのうえでのマネジメントをすることが成長にとって重要なのだとあらためて認識した」と言うのは、セブン-イレブン・ジャパン執行役員・会計管理本部長兼企業行動推進室長の木村成樹さんだ。
50代の木村さんいわく、上司の立場から部下との世代間ギャップについて悩むことがあるという。
「しかし、今日のイクボスセミナーを拝聴して深く感じたのは、“異”を恐れず“違い”を知ることに価値があるのだということです。管理職は役職を与えられたことで『自分の仕事のやり方や価値観は正しい』と思い込みがちです。しかし、部下ひとり一人について理解をしていくことで、自分という狭い枠を超えて自己成長ができるのだと腑に落ちました。これがまさにダイバーシティであり、組織の成長・発展にも直結するのだと」
さらに、木村さんは「部下10人をまとめて『10人の部下たち』ととらえるのではなく、一人ひとりとの関係性を築いていく意識が必要」というメッセージに深く感銘を受けたのだとやや興奮気味に語った。
イクボスに求められる条件の一つに、子育てや介護など部下一人ひとりの事情を理解し、その事情に見合った業務分担やキャリアプランを構築するスキルを備えるということがある。「イクボス10カ条のメモは机の引き出しに保管して、何度も見返そうと思います」(木村さん)
ボス自ら「ノー残業デー」を設定。資格の勉強もスタート!
モール・エスシー開発SC企画室統括マネジャーの齋藤祐子さんは、セミナーを受けた翌日から行動が変わったと報告をしてくれた。
「まず変えたのはミーティングのやり方です。これまで私から業務指示を示す方法でしたが、メンバー一人ひとりが納得感を持ち、意欲が出る合意形成をすることがチーム全体の成長に不可欠と考え、部下のやりたいことや進め方を聞きながら会社のニーズと一致させていくディスカッションを意識するようになりました」。会議時間も育児など時間制約のあるメンバーも含めて全員参加できる時間帯に変更した。
これまで「部下にプライベートについて聞いてはいけないのではないか」と遠慮していた齋藤さんだが、イクボスセミナーを通じて「部下一人ひとりの事情を理解することが的確なチームマネジメントにつながる」と納得。自分から週末の予定を話すなど雑談を増やすことで、部下からも私生活について話しやすい雰囲気づくりを心がけるようになったそう。
「『昨日どうだった?』とこまめに声をかけることで、業務上の悩みも早めに解決でき、部下の私生活の予定を把握することで業務フォローの手を打てることがわかりました。同時にその解決をするために、他部署との連携が進むという手応えも感じています」(齋藤さん)
齋藤さん自身も、個人的な「ノー残業デー」を設定して早く帰るように努めるなど、自分のための時間を持つことを意識するようになった。「早く帰宅して食卓を家族と囲める日が増えたことで、家族との会話も増えました。空いた時間に以前から興味のあった資格の勉強を始め、視野が広がりました。ライフが充実すると人脈や知識が広がり、仕事にもプラスに働きそうです。イクボスを目指します!」
(ライター/宮本恵理子 写真/鈴木愛子)
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