イトーヨーカ堂・戸井社長も息子の一言を思い出し、イクボス式に深く感銘
セミナー後、促されてマイクを持ったイトーヨーカ堂・戸井社長は「イクボスマネジメント」の意義を噛みしめるような表情で会場を見渡した。
「成人した息子から『子どもの頃にキャッチボールをしてもらった記憶がない』と言われ、ハッとしたことがある。このセミナーを聞くのが十数年早ければ…。若い皆さんにはぜひ新しい働き方への挑戦をしていただきたい。そのためにグループ一丸となって管理職層からの意識改革を始めていきたい」とトップメッセージを送った。
セブン&アイ・ホールディングスが「イクボス育成」に本気になったきっかけ
同セミナーの企画を主導したセブン-イレブン・ジャパン取締役常務執行役員兼セブン&アイグループ ダイバーシティ推進プロジェクトリーダーの藤本圭子さんによると、イクボス推進はダイバーシティを進めるうえで欠かせない課題として浮かび上がったキーワードだったという。
同グループではダイバーシティ推進への課題として、「女性の意識改革」「制度設計と運用の改善」「管理職の意識改革」の3つを柱として各種研修などに取り組んできた。その中で、「働き方の改革や女性活躍推進などを目指すうえで、現場を指揮する管理職の意識改革が非常に重要であるという認識が年々高まってきました」(藤本さん)。
実際に、イクボスをテーマにした研修を導入してみると、単なる福利厚生ではなく、業績に結びつく成長のためのチームマネジメントであるという意義を感じる管理職が多く、「研修で習ったイクボス10カ条を1つでも実践してみたい」と意欲的な感想が集まるそう。
また、部下に当たる社員からの評判も上々だ。
「子育て中の女性社員からも『上司の行動が変わってきた』と好意的な意見が増えています。数字として実績が見えてくるのはこれからですが、“イクボス”というキーワードを共有するだけでも現場の上司・部下間のコミュニケーションが促進されることに大きな価値があると感じています」(藤本さん)
2015年度からは「介護」をテーマに含めた研修も導入していく予定だという。
さて、今回のセミナーに参加した管理職達はどのように感じたのか?