セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、そごう・西武など多様な業態の流通事業を束ね、連結従業員は5万5000人を超える巨大グループ、セブン&アイ・ホールディングス。早くから女性活躍推進などダイバーシティ経営へ意識を向けてきた同グループが、2014年度から導入したのが「ダイバーシティ・マネジメントセミナー」だ。
そのテーマの中核が「イクボス(管理職の意識改革)」であると聞き、研修会場を訪ねた。
15年1月末、年度最後となる第4回の研修タイトルは「会社も社員も共に成長するイクボスでいこう」。
グループ内の課長職以上、執行役員も含めて200名を超える管理職を集め、会場の最前列にはイトーヨーカ堂・戸井和久社長の姿も。全国10エリアへ同時中継もされるなど、同グループの力の入れようが伝わってくる。
この回の講師を務めたのは、NPO法人コヂカラ・ニッポン代表理事であり、不動産投資運用会社社長として“イクボス経営”を実践している川島高之さん。
日経DUALでもその実績について度々レポートしてきた。
チームの風土を改革するために必要な手順や想定される課題の解決法など、現場の悩みにそった内容に、熱心に聞き入りながらメモを取り続ける参加者の皆さん。
後半の質疑応答では「自分の上司をイクボスにするには?」といった質問が挙がり、課題も共有された。
最後には、自分の行動指針を述べる「イクボス宣言」を発表する時間も設けられ、会場全体が「管理職から変わるぞ」という熱気に包まれた。